田中真紀子を文科相に据えた人事について、マスコミ報道では、中国に対する関係改善のメッセージの
発信だとか、離党者が出て過半数を割り、不信任決議案が可決されそうになった際に、小沢一郎の生活党に助け船を出してもらうための予防措置だとか、政局的な見方が喋々されている。どちらも正解だろう。だが、私は、真の狙いは別のところにあるのではないかと疑っている。この臨時国会を「教育国会」にして、そこでの論議をそのまま次の選挙の争点に持ち込む思惑なのではないだろうか。つまり、野田佳彦と安倍晋三は現時点で裏で手を握っていて、秋の国会から解散総選挙までのシナリオについて、ある程度まで腹を合わせているのではないかと、そう推測するのである。田中真紀子は生贄で、どこかの段階で更迭し、
安倍晋三に首を差し出す取り決めをしている。回り道の説明になるが、一つ気になる点があって、それは前原誠司の入閣である。1年前、前原誠司は政調会長に就き、野田内閣の閣僚にはならなかった。理由は、さらにその1年前、東日本大震災の
直前だったが、菅内閣の外相時代に在日外国人からの違法献金が発覚し、予算委で追い詰められて辞任する
一幕があったからである。閣僚にはなれないため、党の要職に回った。本来なら、自民党はここぞと攻勢に出て、この件を調べ尽くしている
西田昌司に前原誠司の首狩りを命じなければならないはずだ。