香山リカ、内田樹、山口二郎らの橋下徹批判は全く読んでいないし、未だに目を通そうという気にもなれない。昨年、この情報に接したとき、「あ、これはだめだ」とすぐに直感し、逆効果になる事態を予想した。商業主義の動機の臭いがする、脱構築主義を基調としたところの、いわゆる左派方面からの橋下批判というのは、人々の内面に染み込む説得力が全くなく、マスコミとネット右翼に逆手に取られ、政治的にマイナスの結果にのみ逢着するのだ。昨年11月末の大阪市長選のときも、その後のマスコミによる橋下徹ブームの中でも、ブログで取り扱わず無視を続けたのは、一つにはそういう事情があった。橋下徹に対して積極的な期待を寄せ、その政治的破壊力を熱望する右傾化した大衆の目から見て、香山リカ、内田樹、山口二郎らの存在は、口先だけの皮相な文化人官僚なのであり、何も現実が分かった人間ではないのだ。私から見て、彼らは「噛ませ犬」でしかなく、橋下徹のブームを盛り上げるために逆用される材料でしかない。小泉現象の経験を経て、なお同じ政治が繰り返され、さらに毒々しく悪性の勢いになるのは、この国の社会の狂気と病根の深さを示している。イージーな一般論を置くだけでは力にならない。香山リカ、内田樹、山口二郎らでは、橋下徹には歯が立たないのである。この連中のこの言説では勝てないこと、逆効果になるだけだということを、まずは率直に認めないといけない。