昨夜(7/26)、NHKのクロ-ズアップ現代で官邸前デモの特集が放送されていた。「普通の市民の自発的デモ」を持ち上げる内容で、これまでの民放の報道と同じ内容である。この報道が、もし1か月前に放送されていれば、デモに市民権を与え、人々の参加を積極的に促す効果のあるものになっただろうが、この時点の放送では全く意味の違うものになる。政治というのは生きもので、状況と情勢は絶えず動いている。60年安保を振り返っても、5月から6月の2か月間の激動でドラマが凝縮されている。クローズアップ現代の放送は、官邸前デモを勢いづける方向に導くと言うよりも、むしろ手じまい感の漂う、これで終わりという感じを受けるものだ。状況が変わることで、全く同じ報道の映像でも、放送の政治的意味やメッセージは変わってくる。まず、一点指摘しなければならないのは、番組(NHK)は、官邸前デモの参加者が毎週増え続けていると言っていたが、実際にはそうではないことだ。警察リークの情報では、6/15が2千600人、6/22が1万1千人、6/29が1万7千人、7/6が2万1千人、7/13が1万人、7/20が7千人という推移になっている。つまり、ピークは3週間前の7/6であり、その後は連続して減っているのだ。参加者数が増え続けているというNHKの報道は嘘であり、これはわれわれの錯覚にすぎない。