6/29の官邸前デモを報道した番組、報ステ、NEWS23、サンデーモーニングを見ると、必ずと言っていいほど小さな子どもを連れた親が登場して、デモに参加した動機やデモへの共鳴の言葉をインタビューで語っている。6/29のデモは、特に小さな子連れの家族の参加が多かった。このことについて、例によってネット右翼がデモを誹謗中傷する標的にして、子どもをそのような危険な場所に連れて行く親の神経が異常だなどと、Twitterで親を詰る罵倒攻撃が続いている。江川紹子も、6/30に現地の大飯原発で幼い子どもを抱えて機動隊と対峙した
母親に対して、こうした行為は一般市民に共感されないと毒づき、脱原発の気運を殺ぐ結果になるだろうと
言いがかりをつけた。江川紹子の嫌味たっぷりな説教的口振りは、デモを貶める原発推進派の嫌がらせの口上と全く同じで、不愉快きわまりない物言いだ。一見すると、政治的な示威と興奮の坩堝であり、群衆で騒然となったデモの現場に幼児を同伴する行為は、常識から外れた、教育上謹むべきことのようにも感じられる。しかし、よく考えてみると実はそうではないのだ。逆だ。幼い子どもを持った親、特に母親こそが、再稼働を止めなければならないという動機を最も強く持つ市民なのである。彼らは、自分の子どもが可愛いから、可愛い子どもを守ろうとする思いで、この抗議行動に参加したのである。子どもは自分の手で守らなくてはならないから。