先週末(8/24)、報ステのコメンテーターに鳥越俊太郎が登場し、夕刻に行われた野田佳彦の官邸会見のニュースに解説を加えていた。その主張は、8/15に出演した姜尚中と同じで、李明博を「ナショナリズムを扇動する指導者」として指弾し、厳しく断罪する内容に終始した。日本の現在の論壇で相対的に左側に位置すると思われる論者からの、熾烈な李明博批判と韓国批判がマスコミ上で続いている。彼らは、本来は政府や右翼が煽り立てる中国批判や韓国批判から距離を置き、少数派となっても大所高所から理性的な知見を提示し、自国の人々に内省と自制を呼びかけなくてはいけない使命の者たちだ。それが、マスコミでの仕事を維持したい動機のためなのか、李明博批判の全体主義に与している。姜尚中と鳥越俊太郎に言いたいが、それならば、石原慎太郎の発言は中国や韓国の人々にとってどうなのだ。石原慎太郎は、8/24の会見でも「河野洋平っていうバカが、日韓関係をダメにした」などと暴言を吐き、慰安婦問題で謝罪した河野談話を否定して韓国を挑発している。今回の尖閣をめぐる日中関係の悪化は、5月からの石原慎太郎の買収策動が発端だ。石原慎太郎という指導者が、どれほど日本の偏狭なナショナリズムを煽る愚を犯しているか、そのことで、どれだけ中国と韓国の国民感情を傷つけ、日本の国益を損なわせているか。