アルジェリアのイスラム過激派による人質事件は、安倍晋三が東南アジア歴訪に出た1/16に発生した。安倍晋三が各国を渡り歩いている間、国内ではアルジェリアの事件報道一色となり、国民は人質の安否情報を固唾をのんで見守るところとなった。一般の関心はこの事件の推移に集中し、情報の少なさや政府の対応の遅れに苛立ちながら、ずっと報道を注視する日々が続いた。先週、1/16-18の3日間の報ステは、放送開始から50分ほど、ずっとこの問題ばかりで埋め、「xxにいるxxさんを呼んでみましょう。そちらは何か新しい情報はありますか」を繰り返していた。その合間に、古舘伊知郎の質問に「分かりません」を繰り返す無内容な「解説」が入り、退屈になったら、「もう一度xxのxxさんを呼んでみましょう」で繋ぐ展開が続いた。中身は空っぽでも視聴率が取れる。番組に視聴者を釘づけにできる。他のニュースに振るとチャンネルを切り換えられる。そのため、安倍晋三がお気に入りの女性記者をぞろぞろ引き連れて東南アジアを大名旅行した話は、報道からは一顧だにされない扱いとなってしまった。安倍晋三にとっては不本意な事態で、アルジェリアの事件を歯噛みして口惜しがったことだろう。この東南アジア歴訪は、対中国包囲網を敷き固める外交で、4-5日の長い時間をかけ、マスコミを動員し、たっぷりと国民を漬け込み工作する洗脳キャンペーンの政治が組まれていた。中国を挑発する「安倍ドクトリン」の発表(1/18)まで、手の込んだプログラムが用意されていた。