今日(1/28)の朝日の国際面にアルジェ人質事件の
記事があり、現地(首都アルジェ)から記者はこう書いている。「アルジェリア軍が具体的にどのような攻撃をして武装勢力を制圧したのか、人質はどういう状況で死亡したのかなど、新たな情報は全くといっていいほどない」「街の声も軍の強行作戦を支持する声が圧倒的だ」「政府や軍を礼讃するこうした声の背景には、厳しい取材規制がある。関係者によると、地元紙の記者でさえ現場に近づくことは許されていない」(6面)。この朝日の記者の見方は、事件の真実を見極めようとするもので、アルジェ政府と当局の報道から発信される事件説明について、少なからず疑いを持った目で見ている姿勢が看取される。私と同じだ。こうした感覚で事件に相対している報道が、国内のマスコミにはきわめて少ない。今回、死亡が確認された外国人人質
33名の中で、日本人は最も多い10名の犠牲者を出したが、政府とマスコミは、事件を起こしたイスラム武装勢力にのみ全責任を押し被せ、彼らをテロリストと呼んで一方的にその卑劣で残忍な行為を非難している。しかし、その認識や判断は客観的に正しいものなのだろうか。もっと具体的に言えば、日本人10人を殺害した加害者は武装勢力なのだろうか。アルジェ政府軍には加害責任はないのだろうか。10人の遺体は病院で検死解剖されているはずだが、銃創は武装勢力の銃弾によるものなのか。