「震災から2年」の報道に隠れて、あるいはそれに被せて、恐ろしい政治の動きが次々と進行している。そして、それらは株価や賃金の上昇のニュースによって不安感が消され、悪政として意識されるべき危険情報の配信にならず、逆に、安倍晋三を高支持率で支える国民多数の政治意思の遂行と進行のように、むしろ肯定的なノリ(=空気=雰囲気)で報道されている。「震災から2年」の2日前の3/9、安倍晋三がテレビ番組の中で憲法9条の改定について意欲を明言、96条の改定から踏み込んで、9条が標的であることをアピールした。それに対して維新の橋下徹が賛意を表明、国内のマスコミは素通りで、韓国の新聞だけが批判を加えている。また「震災から2年」の翌日の3/12、国会答弁で、東京裁判について「日本人自身の手によることではなく、連合国側の勝者の判断で断罪がなされた」との認識を表明、東京裁判に対して懐疑的な姿勢を示した。これに対して中国政府が反発、3/13に華春瑩が、「日本は歴史を正視し、深刻に反省して初めてアジアの隣国と良好な関係を築ける」とコメントしている。国内のマスコミから批判めいた論調の記事は全く発信されていない。安倍晋三は7年前の2006年も、国会答弁で「A級戦犯は国内法的には戦争犯罪人ではない」と発言して物議を醸したが、このときと違うのは、国会の質疑答弁の政治構図が変質、逆転していていることだ。