麻生太郞ら閣僚3人に続き、昨日(4/23)国会議員168人が靖国神社に参拝して、夜のテレビのニュースとなった。過去最多で昨年(2012年)の2倍の数であり、朝鮮日報は「日本の政界の右翼化傾向を示すもの」と
書いて警戒感を示している。朝鮮日報の見方に私も同感する。参拝後、
高市早苗は、「日本の国策に殉じて尊い命を捧げた方を、どのように慰霊するかは日本国内の問題だ。外交問題になる方がおかしい」と堂々と言い、その映像が報ステで流れた。奇妙なことに、ニュースはこの高市早苗の発言で止まり、古舘伊知郎が5秒間ほど沈黙する映像が出て、番組は次のニュースに移った。まるで、高市早苗の主張がこの問題に対する番組としての総括であり、視聴者に向けての立場表明であるかのような編集と演出になっていたのだ。通常の進行であれば、ここで古舘伊知郎が横の解説者に振って意見を促す。4月からコメンテーターに異同があり、三浦俊章が降りて恵村順一郎が座っている。朝日の論説の年功順送り人事だ。だが、昨夜は、この重大な政治事件にコメントを入れず、高市早苗の言葉に朝日は反論しなかった。視聴者の多くは意外で不満に感じただろう。右翼は朝日の従順ぶりに満足を覚えたに違いない。本来、正面から批判すべき右翼発言に対して批判しない。座視し黙認して素通りさせる。こうした一つ一つが、まさしく右傾化の事実過程なのだ。