都議選の結果が出た。自民59、公明23、共産17、民主15、みんな7、ネット3、維新2。自民のパーフェクトゲームの勝利には暗澹たる気分になるが、それでも、維新が予想どおり惨敗したこと、共産が批判票の受け皿となって躍進したことは救いとなるものだ。この都議選で、私が最もフォーカスしていたのは、維新が潰滅的な敗北を喫し、極右ブームを終焉させるという政治である。安倍晋三の自民が伸びたのだから、極右ブーム終焉とは言えないという悲観的な見方もあろうが、橋下徹の維新が失墜した意味は現在の日本政治において小さくない。なぜなら、何度も説明してきたことだが、今の安倍晋三のバブル人気は、1年前の橋下徹のバブル人気によって化合され製造された<�空気>だからである。1年前の政治状況を思い出そう。衆院選が迫り、民主が敗北して自民に政権が戻ることがほぼ必至となった中、自民の総裁選の行方が注目されていた。最大派閥の町村派では、誰を候補にするかで派内を一本に調整できなかった。引退の身ながら長老として派に隠然たる影響力を持ち、陽に陰に党運営に口出ししていた森喜朗は、マスコミに出て何を言っていたか。「安倍さん、あなたが出たい気持ちはよく分かるが、じゃあ本当に勝てるんですか。4-5人出る候補の中で、3番目とかだったら最大派閥の恰好がつかないし、あなたの政治家人生にも傷になって残りますよ」。