新作映画を完成させた宮崎駿が記者会見するニュースが出て、「これからは大変な時代になる」という話をしていた。言葉がネットに残ってないか調べたが、その部分はなく、単に「困難な時代でも力を尽くして生きる主人公を描きたかった」という件だけが残っている。宮崎駿は、これからどれほど苛酷な時代が到来し、日本の若い世代がどんな悲惨な地獄に突き落とされるか見えていて、それを見越してメッセージを送っているのだろうと、そう勝手に思った。シリアはもともと酷い国で、こんな国に生まれなくてよかったと思うような、貧困で自由のない最悪の独裁国家だったが、それでも平和だけはあった。2年前の内戦勃発以降、国内での犠牲者は
10万人に上っている。シリアの人口は2200万人だから、国内の人口の0.5%がすでに失われた。そのうち2万5000人が政府軍兵士で、残りの7万5000人は反体制派や政権派民兵も含めて市民である。戦争は序の口で、米・EUから反体制派に大規模な武器供与が始まるこれからが本格的な殺戮戦となる。イラク撤退で在庫が溜まっている軍産複合体に、オバマが捌け口と儲け先を与えた。どれくらいのシリア人が命を奪われるだろう。国から命がけで脱出するか、残って殺し合いをするか、シリアの地上の人間の選択はそれしかない。平和はすぐに破れる。一瞬で失われる。戦争が始まると簡単には終わらず、市民を巻き込んでエスカレートする。