吉田昌郎を異常に英雄視して礼賛するマスコミ報道に呆れる。昨夜(7/9)のテレビだけかと思ったら、今日(7/10)の朝日でも続いている。正直なところ、腰を抜かす気分だ。昨夜は、NHK(NW9)とテレ朝(報ステ)のスタジオに、示し合わせたように門田隆将が登場し、同じ言葉で吉田昌郎への絶賛を繰り返した。命懸けで事故対応に当たったとか、福島を救ったとか、信じられないような美談と激賞が並び、あっと言う間に「英雄伝説」が出来上がった感がある。ちょっと待ってくれよと、そう苛立っているのは私だけだろうか。陰謀論の誹りを恐れず敢言すれば、門田隆将がテレビ2局に出演して同じ賛辞を吐き、大越健介と古舘伊知郎がそれを大袈裟にフォローし、奇妙な「英雄物語」を国論として確定させたのは、単なる偶然だろうか。こうした報道の場合、通常、NHKとテレ朝では少し異なった論調になる。特に、これは原発に関わる報道であり、吉田昌郎は東電幹部で事故を起こした責任者なのだから、NHK(=政府・官僚)がどれほど吉田昌郎を英雄扱いして祭り上げても、報ステは辛口の抑制的な見方でバランスを取るはずだ。と思っていたら、豈図らんや、昨夜は、同じ門田隆将の生出演で、一字一句同じ原稿が読み上げられ、吉田昌郎の「偉業」が讃えられて終始した。怪しむべきは、今が参院選の投票を目前としたタイミングで、電力4社から5原発10基の再稼働申請が行われた翌日ではないかということだ。