間もなく参院選の公示で、投票まで3週間を切ったが、選挙戦は全く盛り上がっていない。自民圧勝という結果が事前に確定してしまっていて、何をどのように論争したとしても、選挙結果に影響を及ぼすという可能性が見えないからだ。沈滞している。原発の再稼働を推進し、TPPを推進して農業を潰し、辺野古を埋め立て、国防軍へ向けて改憲し、消費税を上げ、物価を上げていく安倍晋三の自民党が、他を圧倒する40%以上の支持率を得ている。その現実があまりに異常で、絶句して何も言葉が出ないが、結果はマスコミ報道のとおりになる。去年の衆院選では、マスコミが囃し立てる「第三極」に踊らされて、1200万人が橋下徹の維新に一票を入れた。参院選が終わった後、マスコミは、「国民はねじれ解消を選び、政治の安定を求めたと総括を言い、「アベノミクスによる景気浮揚に期待を託した」と意味づけるだろう。安倍晋三の顔をアップでテレビの画面に出し、再び内閣支持率を70%にするに違いない。信じられないことだが、それを願っている国民の方が多いのである。少なくとも投票所に足を運ぶ人間の中ではそうだ。衆愚ばかりが選挙に行って投票する。半年前の衆院選と同じように、衆愚が政治を動かし、恐るべき極右権力を万全にさせ、人の心を打ちのめして神経衰弱にさせる。まるで、今は、死刑判決を受ける20日前の冤罪の囚人のような心地だ。衆院選も同じだったが。