週末、参院選の党首討論をテレビで見ていて、これは投票率が間違いなく下がると確信させられた。同じ話ばかり繰り返している。9人の党首の口から、何度も聞いたフレーズが並べられる。議論が深まらず、視聴者(有権者)に即した政策論争や相互批判の図にならない。どういう政策対立なのか明瞭に整理されない。基本的に、どの党首も自分の政党の支持者に向かって語っている。安倍晋三だけが特別で、選挙勝利が予定された主客として、テレビ番組の司会者と同じホストの立場でふんぞり返っている。選挙に関心のある者は、きっと7/3の記者クラブの党首討論会から始まって、テレビ各局で催される討論番組は全て注意して見ようとするだろう。見ようとするが、退屈ですぐに飽きてしまう。飽きるというより、不興で不愉快で苦痛になる。おそらく、政党党首やテレビ側の論理と動機としては、その番組だけを見る有権者という対象を想定して、各党のセールスポイントである政策主張をデリバリーしているのだろうが、あまり選挙に関心のない者とか、すでに投票先を決めている者は、番組の最後まで討論に付き合うということはないだろう。頭数が多すぎて、議論がどうにも散漫になる。アベノミクスを含めて、自民党の政策や公約に対立軸を構成しているのは、共産、社民、生活、みどりの4党だ。したがって、安倍晋三が何か言えば、この4党に反論させないといけないのだけれど、司会は維新やみんなや公明に振り、論争を活性化させようとしない。