前回、「事件解決のカギは小保方晴子の自供のみ」と書いた。そう思う理由は、例の片山祐輔の事件の始終を見たことによる。滑稽であり、不気味な事件だった。否、事件はまだ終わっていない。佐藤博史は片山祐輔を更正させると言って弁護人を続けているが、私は佐藤博史が片山祐輔を改心に導けるとは到底思えない。片山祐輔は心から反省などしていないし、今の、表面上しおらしく見せている態度は、裁判官の心証をよくして量刑を軽くするための演技であり、周到な法廷戦術だろうと推察する。噂では刑期は7年。前回、9年前、ネットに複数の殺害予告を書き込んで逮捕起訴されたときは、懲役1年6ヶ月の実刑を受けて服役した。7年後に出所してPCとネットの環境に戻れば、再び警察とのゲームを始めるだろう。覚醒剤の常習犯のように。片山祐輔がリスペクトしているのは警察なのだ。簡単に騙されて手玉に取られた弁護士や江川紹子については、軽蔑と嫌悪しかないのである。片山祐輔の自己表出と自己実現は、ネット犯罪を通じた警察とのゲームの過程にあり、そこでの成功と勝利にある。成功とは、警察に誰かを誤認逮捕させることであり、勝利とは、真犯人メールをマスコミに送って警察を嘲笑うことだ。そして、負ければ刑務所暮らしに戻るのであり、それを繰り返すだけだ。そうしたゲームの人生としての自己の定義と達観を、片山祐輔が自ら覆すのは相当に難しいと思われる。