NHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」は大きな反響を呼んでいる。NHKの毅然としたジャーナリズムが評価され、この事件の行方に気を揉んでいた国民に希望の光を取り戻させた。安倍晋三と下村博文の横槍で、小保方晴子の処分が延期されて「再現実験」の特赦となり、早稲田の博士号までヴィシンスキーによって安堵されるという悪夢の進行が続き、いよいよ日本の科学も北朝鮮と同じ暗黒に堕したかと、そう落胆して焦燥していたこの国の多くの人々にとって、この番組のチャレンジとエクセレンスは救いと励ましを与える光明となった。挫かれかけていた理性と良識と正義を信じる心を、再び立ち直らせる力を与えてくれたと、そう言うことができる。制作したNHKのスタッフに、あらためて拍手と声援を送りたい。逆に、不正の側は追い詰められた。放送が投げかけた告発と批判に対して、三木秀夫は何の有効な反論もできず、ヒステリックな感情論で反発しているだけだ。この半年間、ずっと同じだった。鉄面皮で開き直って虚勢を張り、感情論で空騒ぎし、詭弁が通じなくなると、権力(安倍晋三・下村博文)の内懐に逃げ込み、右翼カルト権力の介入と庇護で破滅を免れてきた。小保方晴子らが破局を逃れ、身を安泰にさせて時を稼いでいる醜悪な過程は、後に科学史に世界三大不正事件の一つとして刻まれる経緯説明の一行一行であり、日本の科学の信頼と実績が損壊して、尊いブランド・エクイティが泡と消えている一日一日である。