川崎の中1殺害事件で被害者の遺体が発見されたのは、2/20の未明のことだった。それから1週間、テレビの報道は毎日同じ内容が流され、現場でレポーターが何かを言う中継が入ったが、肝心な捜査情報は何一つ新しいものがなく、意味も価値もない無駄話が時間を埋めていた。捜査が動いたのは事件から1週間経った2/27のことで、しかし、その風景は何とも異様なもので絶句させられた。主犯格の18歳の少年が、弁護士に付き添われてタクシーで署に
出頭、それを大勢のマスコミが取り巻いて撮影するという、前代未聞の映像に驚愕させられた。しかも、加害者の少年の父親がマスコミに
コメントを出し、息子はそのとき家にいて潔白だと弁護士と共に強弁するのである。2/27のニュースを見て、これが日本で起きていることなのかと腰を抜かしたが、どういうことなのかと呆気にとられつつ、ネットの中を覗き込むと、何が起きたのかが分かる情報が溢れていた。警察とマスコミが何も情報を流さないため、ネットの中で犯人捜しとタレコミ投稿がどんどん進み、容疑者の自宅が特定され、自宅を突撃したニコ生取材の動画が出回って、2/27にはほぼ全ての背景情報がネットに暴露されていた。2/26発売の文春と新潮の記事があり、週刊誌とネットが真相を穿り返し、やむなく警察とマスコミが動く進行になったことは間違いない。