川崎中1事件の報道は、テレビのニュースとネットの新聞記事で進行を追いかけている。Yahooトップのトピに、毎日、2本か3本新しい捜査情報が更新されていて、警察のリークがリアルタイムに報道になって流れている。Yahooのヘッドラインに上がるのは、ほとんど毎日新聞の記事だ。いつも3人の署名がある。おそらく社会部の若い記者だろうが、3人が川崎署に張り付いて警察のリークをメモし、記事にして発信している。神奈川県警は、(彼らに言わせれば)捜査の初動で躓いて時間を無駄に潰し、その結果、2chのタレコミと犯人捜しに捜査の代行を許すような事態に陥ってしまい、逮捕が遅れて面目を失したため、あたかも名誉挽回を急ぐように、容疑者の少年3人の尋問を急ぎ、供述で得た情報を刻々とマスコミに流している。2/27の逮捕以降、事件説明の主導権は完全に神奈川県警が握った。警察の過失責任を巧く拭って曖昧にする情報工作が進んでいる。お利口な中学生が教師の板書を黙々とノートに書き写すように、刑事のリークを丸ごと記事配信する3人の記者の姿が目に浮かぶ。この3人の頭の中には、自ら推理して組み立てた事件の仮説はなく、したがって刑事のリークに何の疑問や質問もなく、自分の足で聞き込んだ取材情報もなく、ただ、警察と国民を繋ぐスルーの伝送パイプになっているだけだ。それが今の日本のマスコミの現状である。政府からの情報を処理検証するインテリジェンス能力がない。