想田和弘が憲法9条を貶めるTWを乱打している。それに対して、おそらく護憲派だと思われるが、多くの者が発言を支持するようにRTをしている。例えば、「僕は9条も大事だと思ってますけど、人権条項などの方が実ははるかに大事だと思ってます、はっきり言って」と
明言していて、そのTWに500個以上のRTが付いている。この想田和弘の発言は、護憲派の立場からすれば間違いなく迷惑な暴論だが、500個もRTが付されているのは、大御所の
内田樹が率先してTLでRTし、この主張を後押ししているからだろう。若手の映画監督だが、映画の方はそれほど有名ではなく、作品も特に注目を集めたり話題になったことはないが、もっぱら左翼リベラルの言論市場で売れっ子の論客で、その方面では必ず顔が出て来る一人だ。いわゆる左翼リベラル業界の定番論者である。今回の異常な発言は、自民党が進めている緊急事態条項の改憲に対して警鐘を鳴らす意図から出てきたものだが、図らずも、本人の9条観が露呈され、護憲派を傷つける偏見が露出する結果となった。この9条を相対化する想田和弘の9条観は、おそらく内田樹や山崎雅弘も共有するところのものだが、「僕は別に9条は世界の理想だから世界中に広めようとか、そういうことは考えていません」と言った
小熊英二の主張とも符牒が合う。9条相対派の率直な意見であり、その拠ってきたる本質は脱構築のバイアスに他ならない。