昨日(6/1)の衆院特別委の審議を報じた朝日の1面
記事を見ると、安倍晋三が「重要影響事態」の範囲を例示して、「中東やインド洋での武力衝突が、この事態に当てはまるとの認識を示した」とある。「重要影響事態」とは、これまでの「周辺事態」から地理的な制約を取り払って、地球規模で米軍や他国軍を支援できるように新設した概念だが、国会で初めて具体的な地名を口にした。玄葉光一郎の質問に答えての答弁で、「仮に中東、インド洋などの地域で深刻な軍事的緊張状態や武力衝突が発生した場合で、わが国に物資を運ぶ日本の船舶に深刻な影響が及ぶ可能性があり、かつ米国等がこうした事態に対応するために活動している状況が生じたときは、重要影響事態に該当することがあり得る」と述べている。この直後に、玄葉光一郎は南シナ海はどうかと論点を振り、南沙諸島で中国軍とフィリピン軍・米軍との間で武力衝突が起き、中国軍が海域に機雷を敷設した場合は「存立危機事態、重要影響事態」になり得るのかと質問した。それに対して安倍晋三は、わが国が輸入する原油の8割が南シナ海のシーレーンに依存しているのは事実だが、迂回路がないホルムズ海峡に対して、南シナ海には迂回路があるので、ホルムズ海峡の状況とは大きく違っていて想定し得ないと答えている。