安保法制をめぐる先週の動きのハイライトは、1週間前(6/15)に行われたところの、外国人特派員
協会と日本記者
クラブでの小林節と長谷部恭男の記者会見だった。先週もこの二人が主役となり、言論を
リードして政治を動かした。ずっと提案しているところの、(1)最高裁元判事たちによる反論、(2)政治学者の登場、(3)元自民党大物族の切れ目のない投入、などは未だ実現しておらず、反対派の攻勢と進撃が続いてない状況に切歯扼腕させられる。弾(武器)はいくらでもあり、切れ目なく次々に撃って政治戦の主導権を握り続けなくてはいけないのに、それがよくできていない。民主党議員の質疑が
ヘタレだ。政府与党側は、まさに「粛々と」特別委の審議時間を埋めることに成功していて、地方公聴会のアリバイも作り、遂に参考人質疑まで漕ぎつけ、委員会採決に向けて万全の準備を固めている。国会の戦線がきわめて脆弱で押し出せず、そこを安倍晋三側に衝かれて逆に押し返されている。二人の憲法学者の言論は素晴らしい。だが、二人だけに任せるのではなく、そこに加勢して、その上に積み重なる第2弾第3弾の砲撃が必要なのに、その動きがない。会期延長が決まった今週、強行採決の攻防になり、マスコミ報道の焦点は国会に移る。そうなると、言論戦において効果的な(1)(2)(3)が、仮に出現したとしても報道の関心が薄れ、脇役に退いてしまう。