参議院で安保法案の審議が始まった。このところ、安倍晋三の側は中国脅威論のプロパガンダのシャワーに躍起になっていて、おそらく、参院
特別委の審議でも中国脅威論を前面に押し立てて法案の正当性を訴求し、維新や民主の「対案」を引き出す戦略に出てくるだろう。情報によると、参院の審議では、与党の質問時間を多くすると言っている。「日本を取り巻く安全保障環境の変化」の方向に議論の土俵を持って行き、憲法論議を遮断し、マスコミ報道の関心を中国脅威論にフォーカスさせようという思惑なのだろう。ただ、この安倍晋三の目論見が奏功するかどうかは不明だ。
日経の世論調査では、支持率が前月比9ポイント下がって38%に低落した。注目したいのは、この電話調査が7/24-26に実施されたものだということで、例の、中国のガス田開発のプロパガンダの後に行われた調査結果である点だ。当然、この不意の暴露作戦は、週末(7/24-26)に実施されて発表される
読売と日経の世論調査を睨んだ策略の投入で、支持率下落を少しでも抑えるための姑息な情報工作である。が、どうやら官邸が期待したほどの効力は発揮しなかった。安保法案のための露骨な宣伝ネタであることが見え見えだったため、動機を見透かされ、思うような成果を得られなかった。逆に、カードを勝手に官邸に利用され、9月の訪中外交の調整で中国に対して立場を失った外務省は、折衝で中国側に妥協を迫られる苦境になるだろう。