岩手の中2男子自殺事件について、基本的には
尾木直樹と同意見なのだけれど、少し違うところがある。持論がある。尾木直樹は学校の安全配慮義務違反を言い、法律違反だと言っている。それはどういう法律なのだろうと検索すると、20年前、サッカーの試合中に落雷を受けて重度の障害者となった高校生の
事故についての最高裁の
判例が出てきて、民法715条が適用されているらしいことが分かった。この事故と判決についてはNHKのニュースで念入りに報道されていた記憶がある。学校側の監督責任になるから注意するようにと、政府が全国の学校と教員に電波で告知をしている趣きが察せられた。尾木直樹の指摘は、この判例とそこから教育現場に下ろされて定着している義務や慣行について言っているのだろう。が、これは民法の民事責任の範疇の問題だ。本来、いじめ自殺の問題については、暴行傷害や虐待の犯罪を行った加害者だけでなく、それが教室で行われているのに見て見ぬふりをして、事実上、残酷ないじめに加担した教師の不作為の責任が問われるべきで、刑法の業務上過失致死が問われるべきだというのが、私の従来からの考え方である。過去の記事でもその旨を論じていた。いじめ自殺の問題では、どうしても30年前の中野富士見中の「お葬式ごっこ」の事件を思い出す。