8月6日の広島の平和記念式典の挨拶で、安倍晋三が非核三原則について言及しないという
事件が起きた。1994年以来、式典に列席するようになった歴代首相がずっと触れてきた「非核三原則の堅持」の文言を、今回、初めて安倍晋三が式辞から削除するという
暴挙を行い、その夜のニュースで大きく報道されて波紋が広がった。NHKは何も報道しなかったが、NEWS23の冒頭で原爆ドーム前から中継していた岸井成格が取り上げ、国是である非核三原則を否定する意図の表明なのかと厳しく批判した。翌日(8/7)、衆院予算委の集中審議で野党議員からも批判が上がったが、安倍晋三に悪びれた様子は全くなく、腹の中で舌を出して開き直っている真意がありありと看て取れた。故意に、狙いすまして非核三原則の文言の削除をやったことを態度で認めていて、8/6の行動が政治的思惑を持ったアドバルーンの打ち上げであったことを示唆している。8月9日の長崎の日の挨拶には盛り込んだが、従来の政府の平和主義の方針を覆して国民を挑発する佞悪なサプライズの手法は、安倍晋三らしい邪悪な毒気に満ちている。支持率が低落を続ける中で、国民に不評の安保法案を押し通さないといけない身で、よくこんな世論の反発を買う横暴をやるものだと強気に呆れるが、ふてぶてしい面構えを崩さない安倍晋三には自信と勝算があるのだろうか。