先週、中国の抗日戦勝70周年式典のマスコミ報道の中で、非常に気になる言論があった。それは、先の戦争で日本が戦って負けた相手は国民党であり、現在の共産党の中国ではないという説明だ。報ステの古館伊知郎が、過去のモノクロ映像を流しながら何度もこの点を強調していた。右翼が20年ほど前から執拗に政治宣伝して刷り込んできたデマゴギーだが、とうとうテレ朝の報ステで正しい歴史認識として確定される事態となった。それに対して、左翼リベラルの側から全く反論や批判が上がらず、素通りされたままになっている。古館伊知郎の言い分は、日本と戦争して勝ったこともない中国共産党が戦勝者という立場で振る舞うのはおこがましく、大義のない中国共産党の歴史認識に耳を貸す必要はなく、無視すればいいというものだ。PRCには第2次大戦や対日戦争の戦勝国の資格はなく、戦勝70周年記念行事など開催する権利はなく、式典は国内向けの習近平政権のアピールにすぎず、行事にも主張にも何の意義も価値もなく、そんなものに国連事務総長がわざわざ出席するのは不当だと言っていた。フジの番組ではなく、テレ朝の番組でそう言っているのである。日本のマスコミ報道は、この認識一色で固まり、右翼がプロパガンダしてきた歴史歪曲がスタンダードな歴史認識になった。テレビを見ながら、私は戦争が近いことを確信したが、幾つかのことを言わないといけない。