< 2022年10月 > | ||||||
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昨日(10/30)のサンデーモーニングを見ていたら、円安のニュースで黒田東彦が記者会見する映像が流され、その中で「何度も申し上げておりますように、金融政策は為替を目的にしておりません」と言い放っているのを耳にして驚いた。それ以上に驚愕し呆れたのは、スタジオに居並んでいるコメンテーターが、誰も、一言も、その暴言場面にチェックを入れず聞き流して放置したことだ。世の中どうなってしまったんだろうと嘆息する。おそらく、10/28の会見の場に臨んでいた記者たちも、誰も、一言も、この暴言に疑問や反論を入れなかったのだろう。日銀担当のマスコミ記者だから、一応、ブランド大の経済学部卒がアサインされていると想定される。
「中央銀行」とGoogle検索してみよう。Wiki の情報が出力され、「通貨価値の安定化などの金融政策も司るために『通貨の番人』とも呼ばれる」という説明が目に入る。「物価の安定と金融システムの安定が責務です」と説明しているサイトもある。物価の安定化と通貨の安定化が中央銀行の使命だ。このことは中学3年の社会科(政経)で習う基本的事実である。通貨が異常に高騰したり下落したりしないよう、安定的に維持することが中央銀行の任務であり、通貨円の安定と信頼を守り、日本の国民生活を守るために日銀の金融政策はある。今、これほど円の通貨価値が暴落し、為替の影響で物価が高騰しているのに、この中央銀行総裁の言い草は何なのだ。
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バックナンバー 2022年10月分 会員登録する中国共産党大会で胡錦涛が退席させられた事件は、ハプニングのように見えて、周到に演出された政治劇であり、胡錦涛の追放と共青団派の一掃を露骨に示威する習近平の権力差配だったと考えられる。カメラが入る前、胡錦涛は党決定案の採決時に何か - おそらく人事 - に反対し、異論を唱えて壇上から同志に訴えたか、動議を提出しようとして揉め、議長である総書記がそれを却下阻止して、議長権限で議場から強制退去させる指示を出していたのだろう。その進行(胡錦涛の覚悟の叛乱)が予め想定される出来事だったから、排除する場面を映像に撮って流させようと陰謀を画策し、ジャストのタイミングで外国報道陣を入れたのに違いない。
共青団系のホープである胡春華を党政治局から追い出して失脚させることと、胡錦涛を大会議場で物理的に排除することの二つはセットで、習近平による上からのクーデターであり、独裁権力を固めるための陰険な見せしめの粛清政治に他ならない。スターリン的で、毛沢東的で、北朝鮮的なグロテスクな暗黒政治の一幕だ。おそらく、党大会後、各省各市の党内で、そして国務院各部署で、粛清の嵐が吹き荒れ、胡錦涛・胡春華の系統の共青団派のテクノクラートが一掃されるだろう。北朝鮮で張成沢が失脚させられた2013年末の政変のときも、張成沢に連なる幹部が続々と処刑され、一派が「反党反革命分派」のレッテルを貼られて指弾、残酷な粛清劇が続いている。
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バックナンバー 2022年10月分 会員登録する先週(10/16-21)半ば以降、プーチンは核を撃つのではないかという「プーチン核使用脅威説」がマスコミで論議されなくなった。テレビの報道番組のネタにならなくなった。今月はずっとその話ばかりが続き、夜の放送を埋めていた。21日に米ロ国防相会談があり、ここでNATO側の核報復を含む反撃作戦の意思が通告され、ロシア側にメッセージとして公式に伝えられ認識共有されため、とりあえず危機を煽る西側の宣伝工作はトーンダウンにしたのだろうか。米ロ国防相会談は、明らかに、13日のニューズウィーク誌に載ったウィリアム・アーキンの判断と提言がそのまま米軍政府によって政策実行に移されたものだ。
しかし、よく思い出せば、「プーチン核使用脅威論」の派手なマスコミキャンペーンというのは、過去にもあり、ロシア軍が4月に北部から撤退したときも、「追い詰められたプーチンが核を使う」という言説が夥しく流された。定番オールスターズの面々が松原耕二や反町理と一緒に毎晩大声で連呼していた。二度目はマリウポリ攻防戦のときで、例によってオールスターズが、今度は「プーチンが化学兵器を使う」というキャンペーンを展開した。高橋杉雄や兵頭慎治や山添博史や小泉悠が、今と同じように代わる代わるテレビ出演して「プーチン化学兵器使用論」の蓋然性を言い、明日にでも起こるという恐怖を視聴者に撒いて扇動していた。結局、化学兵器は使われなかった。
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バックナンバー 2022年10月分 会員登録するウクライナ情勢をめぐって核戦争の危機が高まっている。17日、NATO14か国が「核抑止」の演習を始め、航空機60機が参加してベルギーや北海の上空で核兵器の投下訓練を行っている。米空軍からB52爆撃機が参加していて、核弾頭搭載の巡航ミサイルを地上と海上の標的に空中発射する演習が行われているだろう。無論、実弾ではないが。2月に侵攻が始まって以降、核戦争についての予測と議論はずっとなされてきた。従前は、バイデンは核使用に抑制的な姿勢を見せていて、ロシアがウクライナで核を使用しても、アメリカがロシアに核報復することはないと明言していた。それがどうやら今回豹変し、核使用をオプションとする対応へと変わっている。
10月13日のニューズウィークのウィリアム・アーキンの記事や、18日の朝日新聞の高橋杉雄のコメントが、そうした米軍・ホワイトハウス・NATOの新しい方針を示唆するメッセージの発信になっていて、アメリカが対ロ核戦争に前のめりに変化した気配が窺える。おそらく米戦略軍が作戦プランを作成し、バイデンがそれを裁可し、具体的なケースに応じて臨機応変に攻撃展開できる態勢が整ったのだろう。米戦略軍がこの戦争のイニシアティブを握った瞬間でもある。キューバ危機のときの状況と似ている。プランを出した軍部は、核の作戦に万全の自信を持っている。キューバ危機のときのルメイがそうだったように。軍参謀というのはそういう習性で、自らの描いた「理想的作戦案」に有頂天となる。
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バックナンバー 2022年10月分 会員登録する第20回中国共産党大会が開催され、先週から日本のテレビはこの問題の報道で埋まっている。党総書記の任期は2期10年という鄧小平が決めたルールを破り、習近平が3期目の政権に突入する。どうやら習近平は終身の独裁権力を目指しているらしく、毛沢東と並ぶ権威と権力を党規約で制定、確立させようとしているらしい。聞いただけで眩暈がするというか、呆れ果ててものが言えない。先週、何度か習近平の個人崇拝のキャンペーン映像が紹介されたが、噴飯の極みというを超えた、絶句し卒倒させられる内容だった。あの映像が中国の公共放送である中国中央テレビで流されている。
まるでオーウェルの『1984年』そのものだ。信じられないというほかない。中国人は、どういう気分であの倒錯の戯画を見ているのだろう。文化大革命の狂乱の真っ最中に毛沢東の個人崇拝を敷き固めるべく制作されていたような、幼稚で滑稽な礼賛映像が、そのまま習近平に置き換えて映像化されている。すなわち、中国では1980年代から途絶え、北朝鮮で金日成・金正日・金正恩とずっと続いてきたグロテスクなプロパガンダ映像が、中国で再生産されている。見させられるのは精神の拷問だろう。それ以上に、あんな映像を平気で流している中国政府の狂気の沙汰に気が滅入る。恐るべき退行の病理だ。
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