< 2022年10月 > | ||||||
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第20回中国共産党大会が開催され、先週から日本のテレビはこの問題の報道で埋まっている。党総書記の任期は2期10年という鄧小平が決めたルールを破り、習近平が3期目の政権に突入する。どうやら習近平は終身の独裁権力を目指しているらしく、毛沢東と並ぶ権威と権力を党規約で制定、確立させようとしているらしい。聞いただけで眩暈がするというか、呆れ果ててものが言えない。先週、何度か習近平の個人崇拝のキャンペーン映像が紹介されたが、噴飯の極みというを超えた、絶句し卒倒させられる内容だった。あの映像が中国の公共放送である中国中央テレビで流されている。
まるでオーウェルの『1984年』そのものだ。信じられないというほかない。中国人は、どういう気分であの倒錯の戯画を見ているのだろう。文化大革命の狂乱の真っ最中に毛沢東の個人崇拝を敷き固めるべく制作されていたような、幼稚で滑稽な礼賛映像が、そのまま習近平に置き換えて映像化されている。すなわち、中国では1980年代から途絶え、北朝鮮で金日成・金正日・金正恩とずっと続いてきたグロテスクなプロパガンダ映像が、中国で再生産されている。見させられるのは精神の拷問だろう。それ以上に、あんな映像を平気で流している中国政府の狂気の沙汰に気が滅入る。恐るべき退行の病理だ。
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