< 2023年2月 > | ||||||
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鈴木元の『志位和夫委員長への手紙』を入手して読んだ。その感想と私なりの日本共産党新生の提言を書く。一読して、まず誤字脱字が多い。とんでもない間違い(事実誤認)もある。校正と校閲が杜撰だ。第七章の文中、丸山真男が帝大卒なのに二等兵で召集された理由について、「丸山は政府に批判的な論文を執筆したこともあって」と記述していて(P.187)、これには唖然とした。こんな事実はない。どこからこんな作り話を持ってきたのか。丸山真男が二等兵で召集された理由は、一高時代に治安維持法違反で逮捕された前歴があり、憲兵の監視下に置かれていた元思想犯(ブラックリストの身)だったからである。「政府に批判的な論文を執筆」などと、そんな事実はないしあり得ない。当時の論文は徂徠学二論文を含めて全て思想史研究で、現実政治を論じた作品などない。(写真は産経新聞)
こんなことは常識だ。政治や政治思想に関わる者なら誰でも知っている初歩的知識だ。あまりに非常識な虚偽を平然と書いていて驚いた。無知丸出し。本の編集者は松竹伸幸である。松竹伸幸が出版を急いだあまり、チェックが不十分だったと言えばそれまでだが、こんな重大な誤記に二人が気づかなかった点は異常で、読者として二人の知性を怪しむに十分な過失と言える。他にも幾つかあるが、誤記よりももっと重大な問題があるのでそちらを指摘したい。決定的な衝撃を受けたのは、やはり安保政策に関する部分である。こう書いている。
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