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東京11R 武蔵野ステークス
有力馬事前情報
東京競馬場3日目11R
第29回
武蔵野S
ダ 1600m/GⅢ/3歳上/国際/別定
来月に控えるチャンピオンズCの前哨戦の一つ。ただし、コース形態からも言えるように、ここで勝ち負けをしても、年内はスキップして、翌年のフェブラリーSへ向かうことは少なくはない。
事実、チャンピオンズCの過去10年を見ても前走が武蔵野Sだった馬は27頭が出走して2着が2度のみという有様。有力馬が出なかったり、出ていても勝負になっていないのだ。
(ただし、翌年のフェブラリーSに向けては良い指針になるレースでもあるが)
ましてや、番組編成からも同時期に行われるJBC、みやこSとの兼ね合いを考えてもメンバーが分散しやすい。レース当週になり、クリストフ・ルメールが騎乗予定だったコスタノヴァが回避というアクシデントもあった。
今後へ向けて弾みをつけるのはどの馬だろうか。
3枠4番
ペリエール
牡4/57kg
石川裕紀/黒岩陽一
騎手厩舎連対率:12%
東京ダ:3-1-2-1
ダ1600m:2-1-3-1
最高タイム:1.35.0
《期待値60%》
ヒヤシンスS勝ち、ユニコーンS勝ちなど早い時期から東京ダートで好走。自ずとフェブラリーSなど将来が嘱望されたが、前年のこのレースで1番人気を裏切るなど昨秋からは人気ほど結果を残せていない。
前走のグリーンチャンネルCも戦前の段階から馬体重アップを陣営は示唆。その通り、目方は増えての出走となったが、連対馬2頭からは離されてしまっている。
「前走の22キロ増は成長分です。ココは一番合っている条件。改めての気持ちです」とは調教師。
継続騎乗となる石川裕紀人も「正攻法じゃ足りないんだろうな」という考えもあるそうで、これまでより極端な形を採ることも考えているそうだ。
5枠8番
サヴァ
牡6/57kg
岩田康誠/上村洋行
騎手厩舎連対率:27%
東京ダ:0-1-0-4
ダ1600m:0-1-0-2
最高タイム:1.34.5
《期待値55%》
2走前の大沼Sは低評価を覆す走り。その後は挫跖があって予定していたレースを使えずにエルムSに挑むことになった。
それ以前にも言えることだが、大型馬でもあり、きちんと乗り込むことがレースにも効果が出るタイプ。トレセンでの調整ができている今回は「乗り込めている」と厩舎関係者。
連続好走がないタイプで掴みどころはないが、ユニコーンSで連対したように広いコースは悪くはない。今年のメンツなら出番も。
5枠9番
ペイシャエス
牡5/57kg
横山和生/小西一男
騎手厩舎連対率:15%
東京ダ:2-0-0-2
ダ1600m:2-0-0-2
最高タイム:1.35.2
《期待値60%》
3歳時には当該コースであるユニコーンSを制し、JDDでも2着など頭角を現すも、表向きには明かせないが、体調面が整わず、伸び悩んだ時期もあった。
それでもここ2戦は重賞で連続好走。斤量も57キロになる。陣営は「追い切りの動きは良かったね。久々の1600mでも、流れには対応できると思う」と手応えを覗かせる。
この後は早い段階からチャンピオンズCの参戦を表明。「去年は賞金が足りずに使いたいレースを使えなかったりしたけれど、ここを目標にやってきました。ここへ来て馬も力をつけてきましたね」と腕を撫している。
6枠10番
エンペラーワケア
牡4/57kg
川田将雅/杉山晴紀
騎手厩舎連対率:52%
東京ダ:1-1-0-0
ダ1600m:未経験
最高タイム:未経験
《期待値65%》
今年の根岸Sの勝ち馬。前走も2走前も3種馬券的中に貢献してくれている。
根岸Sを制しながらコンスタントに使ってきたこと、中2週というローテーションを配慮してフェブラリーSをパス。順当に出ていれば上位人気だっただろう。
今回がダートではキャリア最長距離に挑むことになる。杉山晴紀調教師は「距離はやってみないと分からないですね。期待と(不安は)五分五分です」と表向きには語っている。
「1週前にしっかりやっているので当週はさらっとやる程度です。状態は引き続きいいですし、好走できれば選択肢が広がると思います」と調整は上手くいったようだ。
本格化を遂げてから、土がついたのは状態がひと息だったという2走前。その当時の勝ち馬は回避となった。大目標は来年のフェブラリーSだろうが、メドを立てたい一戦だ。
6枠11番
ショウナンライシン
牡4/57kg
柴田善臣/大竹正博
騎手厩舎連対率:29%
東京ダ:1-0-0-1
ダ1600m:1-0-0-1
最高タイム:1.34.2
《期待値60%》
近3戦は①②①着。気性面に課題があり、一時はハイペースを先行して押し切る大味な競馬をみせていたが、常識的な形が採れるようになってきたようだ。
以前であれば馬場入りをゴネたりなど気難しさが目立っていたが、馬の成長が伴ってきた時期に柴田善臣騎手に依頼したことでリズムよく運ぶスタイルが噛み合ってきたようだ。
「4走前からリズム重視で走らせたことで、終いもしっかり脚を使えるようになったね。善臣さんに乗ってもらって成績も安定していますね」とは厩舎サイド。外枠も引いて、前走のような後方策ではなく、流れに乗っていけそうだ。
7枠12番
タマモロック
牡4/57kg
ムーア/伊藤圭三
騎手厩舎連対率:0%
東京ダ:3-2-2-2
ダ1600m:3-2-2-2
最高タイム:1.34.3
《期待値65%》
昨年の秋は1勝クラスを勝ったばかりだったが、そこから東京コースで実績を重ね、オープンでも連対するまでに至った。砂を被ることが苦手で、右回りでは真っ直ぐ走れないため、現状では東京コースがベストなようだ。
「前走後も順調に来ています。やったことのない相手もいますが、持ち時計も上がりの時計もしっかりしていますからね」と調教師。
当該コースで3戦連続連対中。オープンでは連続で2着で、先着されたライバルたちとの再戦にもなる。それでも以前より立ち回りも上手くなっていることは明らか。オープンでも勝てるレベルにきている。
8枠14番
サンライズホーク
セ5/57kg
M.デム/牧浦充徳
騎手厩舎連対率:24%
東京ダ:未経験
ダ1600m:未経験
最高タイム:未経験
《期待値55%》
久しぶりに中央での参戦。実績のある佐賀のJBCスプリントに入らず、こちらにスライドしてきた。
年明け当時は「今年は佐賀で行われるし、JBCへ」と陣営は息巻いていたのだが、モマれ弱さがつきまとったり、直前に開催延期などのアクシデントもあり、賞金加算とならず、JBCの狭い出走枠に入れなかった。
フェブラリーSの際も、陣営が使いたがるオーナーサイドを説得して交流重賞へ向かったように、この舞台は決して歓迎しているわけではない。それでも前走はブリンカーを外して、少しは違った面を出せた様子。
「追い切りは予定より時計は少し速くなったが、動きはしっかり。広いコースなので自分のリズムで走れれば」と調教師。
重賞勝ち馬も少ないメンツ。実績ほどの信頼感はないだろう。関係者もこのコースに対応できるようならば選択肢が広がりそうだ。
8枠15番
イーグルノワール
牡3/56kg
菅原明良/音無秀孝
騎手厩舎連対率:0%
東京ダ:1-0-0-1
ダ1600m:1-1-0-1
最高タイム:1.37.1
《期待値60%》
昨年の今頃は3連勝。全日本2歳優駿では着差こそ離されたが、フォーエバーヤングに続く2着に入るなどの活躍。今年から3歳ダート3冠が設立され、先週もサンライズジパングがみやこSを制するなど強い3歳ダートの世代を牽引していた。
ただし、年明けからは使いたいレースを使えなかったりとやや精彩を欠いている。同じ舞台だった2走前のアハルテケSも2番人気に支持されながら12着に大敗。当時の鞍上だったルメール騎手も首を傾げる内容だった。
前走も「今は小回りの1400mは忙しかった」と鞍上。多少、窮屈になるシーンがあったとしても粘りを欠いてしまったが、直線入り口で前をカットされると脚色が乱れてしまった。
本来であれば松山が継続騎乗をしておかしくないものだが、年長馬との差を感じさせる内容が続いているのも事実だ。
そこで今回はブリンカーを試してきた。経緯が経緯だけに陣営も強気とは言わないが、「今まで一番いいかなと思えるデキだよ。1600mの距離でも勝っているので問題ないね」と調教師。見限った様子はない。
外枠も歓迎のクチ。これで駄目なら成長力の差や精神面の問題だろう。