吉川聖哉は、大学生時代に起業した二十五歳の若き事業家だった。
頭脳明晰で抜群のルックスを持ち、社交的な聖哉は
まさにイケメン社長と呼ぶにふさわしい華やかさを備えていた。
大学生の頃には、将来有望な若手イケメン社長として
一部のメディアでも取り上げられるなど、
他人が羨むほど順風満帆な人生を送っていた。
しかし、いつしか聖哉の会社の業績は低迷し、
華やかだった生活は次第に陰りを見せていく。
自分に付いてきてくれる社員のため、
そして自分の理想のために会社を立て直すべく日夜必死に働き続ける聖哉。
かつて将来有望な若手社長としてもてはやされていたイケメン社長は、
どんな泥臭い仕事でも引き受けるようになり、
心ない取引先やユーザー達からの羞恥の命令にも従い、
人生を翻弄されていくのだった。