つまみ食い
つまみ食い
完結
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発行者:新菜
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2017/08/07
最終更新日:---

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つまみ食い 第5章 二人の合図

岩「あ~~~なんかイイ匂いするー!」

健「ほんまや!!」

臣「……」



コーヒーの…匂い?



❀「家でコーヒー淹れてきたの♡良かったら飲んでね♡」

隆「やった~~~!」



先週から始まった、ツアーのリハ。

彼女は時間がある時はこうして顔を出してくれる。



直「もう~~お前ほんとすっかりコーヒーにハマッちゃったよね~~w」

❀「だって~~哲也くんが色々教えてくれるから♡」

健「へぇ~❀❀さん、哲也さんとも仲良いんすかー?」

❀「うん♡」

臣「……」



ふーん、哲也さんとねぇ。



岩「すごい!これ香りもイイし、味も美味しい!」

❀「良かった~~♡」



みんな美味しそうにコーヒーを飲んでて、それを眺めてると…



❀「はい、臣くんはカフェオレ♡」

臣「……」

❀「ブラック飲めないんだもんね?」

臣「……」

隆「❀❀さんやっさし~~♡」

臣「ありがとうございます。」



彼女の手から、コーヒーカップを受け取った。



岩「あれ、❀❀さんの分なくなっちゃったよ?」

❀「いいのいいの、みんなが飲んでくれたら♡」

臣「ああ、じゃあこれ飲みますか?」



まだ口を付けてないカフェオレを返そうとすると…



直「❀❀はブラック派なんだよw」

臣「え…?」

直「甘いの好きじゃないもんな?」

❀「うん。」

臣「……」



甘いのは…好きじゃない…?


じゃあ…この間…


俺にカフェオレ飲みたいって言ったのは、何だったんだよ。



臣「カフェオレ飲めないんですか?」

❀「……うん。」

臣「へぇ……」

❀「……。」



あんなに欲しがってたくせに。


欲しかったのはカフェオレじゃなくて、俺のキスだった…ってこと?



直「あーー!俺の好きな差し入れあんじゃーん!」



直人さんが席を立って、俺たちに背を向けた。



その隙に俺は、テーブルの下で彼女の手にそっと触れて…


その甲を2回、トントンと叩く。



これが最近の、俺たちの合図。



みんなといる時はもちろんいつも通り。今まで通り。

リーダーの彼女と、メンバー。

ただそれだけの関係。



敬語で話すし、怪しまれるような言動は取らない。



でも、二人になれば…



❀「あっ……は…ぁっ…!///」



止まらない欲情をぶつけ合って、ひたすら快感に溺れる。



臣「はぁ…、っ///」



ただただ、気持ちがイイ。


この人の身体が。



臣「ん…っく…///」



どうしてこんなに甘くて…柔らかくて…



❀「や…ぁっは…ぁっ!///」



俺をとろけさせてしまうんだろう。



俺はもう、最近他の女を抱いてない。

どうでもいい女で気を紛らせるのはもうやめたんだ。



そりゃー抱けば誰だってそれなりの快感はある。


でも…



彼女と比べると、そのどれもが物足りなくて、満たされない。



だったら彼女を抱きたい熱量をそのまま溜めておいて、彼女で発散させる方がずっと気持ちがイイ。



そう気付いたから。





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