underground SEVEN.
第1章 Miwa / age 34
ある出会い系で誘ったミワは、清楚な雰囲気が印象的な女だった。美人とまでは言わないが、その清楚さ漂う微笑みは確かに魅力的だった。線の細い顔立ちに、三十四歳という年令を感じさせない整ったスタイルには淡い色合いのカーディガンとタイトなジーンズ、ロングブーツは似合っていた。
「あの、すみませんけど、コンビニに寄ってもらってもいいかしら……」
「ええ、構いませんよ」
ただ彼女はこういう出会いには不慣れらしい。待ち合わせのバス停で俺を待つ彼女は、忙しなく周囲を見回していた。まるで怪しまれることを怖れているかのように。まあ、実際はそんなに周囲を見回していたら、逆に不自然なのだが、そういうことが分からないのが初心者らしいといえばらしいのだが。
だからなのか、助手席に座る彼女は、まるで罪を犯しているかのように顔を伏せてしまっていた。
道沿いのコンビニに車を止めて、二人で店内へと入る。俺はそこで缶コーヒーと栄養ドリンクを買った。彼女はというと、リプトンのストレートティーとシュークリームを買った。
不安げな彼女の顔を見ていると、どうやら心を落ち着けているらしいことが分かる。だがその視線がある一点で止まり、陳列されているそれを彼女は凝視した。
それは成人雑誌のコーナーで、彼女は特に女性が縛られている表紙の雑誌を見詰めていた。
彼女とのメールのやり取りの中で、彼女がソフトSMに興味があると言っていたことを思い出した。
「……ホテルに行ったら手錠で拘束してあげるよ」
近づいて耳元で囁くと、その瞬間、彼女は赤面し視線を背けて、小さく頷いた。
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