「というわけ。だから明日、１０時に春の楽園の前で集合な」

　電話から聞こえる友人の声に栄治のハートが震える。それは本当か？ 相手に聞き返すのは当然。全く予想もしていなかった話が自分に舞い込んだら、心臓がビックリして踊っている。ドキドキ……って。

　友人である董が突如電話でまず自分の話から始めた。以前より仲の良い友達という女の子がいた。本人は、その女の子である静香とはゆっくり友達から距離を縮める努力をしたらしい。そして実った自分は幸せ。彼女がいると幸せの余裕。

　そんな董の彼女である静香には、仲の良い友人として奈保子という女の子がいた。静香が薫に言った、薫の友達でフリーで少し真面目な性格の男の子っていない？ いたら奈保子に紹介したいと相談。友達思い。