破壊と再生
破壊と再生

発行者:Ringo
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ジャンル:SF

公開開始日:2012/03/07
最終更新日:2012/04/13 00:49

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破壊と再生 第2章 第1章 春一番

入学式早々、奇妙な三人と知り合ったコウガは、始業までの3日間、部屋に籠った。
インターネットで、大学のサイトを検索し、サークル一覧を見付けた。
どのサークルも、まあ、どこの大学にも有りそうな、比較的「普通」なものが多かった。
コウガは、ミナトの先輩が何らかのサークルに入り、そのサークルで何らかのトラブルに合ったと考えたのだ。

しかしー
やはり、コウガの頭は
(何故、こんなことをしているのだろう。英文科なのだから、英語を勉強したり、親元を離れ、1人暮らしを始めたのだから、1人暮らしの生活リズムを作ったり、他にたくさんやることはあるのに、何故、入学式で初めて会った奴らに協力しなければならないのか。)
という感情でいっぱいだった。
明日は始業日。
初めての大学でのガイダンスだ。これからの大学生活の導入部分である。
(疲れたな。)
パソコンをシャットダウンさせ、コーヒーを買いに行くことにした。
入学式の日に、最寄りのコンビニエンスストアの位置は覚えた。3日ぶりに外出したコウガは、外に出て驚いた。うっすら雪が積もっていたのだ。その上まだ、雪がちらついている。
(もう4月の頭だぞ。名残雪にも程があるぜ。)
雪の中、コンビニに向かう途中、父親から電話がかかってきた。

「おぅ。元気でやってるか?」
「あぁ。おかげさまで。」
「そうか。頼まれてた生活費振り込んどいた。大事に使えよ?タバコなんて吸うんじゃねぇぞ?」
「ありがとう。もう吸わねーよ。」
「そうか。じゃあ達者でな。」
「昔話のじいさんか。じゃあな。ありがとう。」

他愛もないこの会話が、何故か多大な安心感をコウガにもたらした。
「あ、あと包丁の扱いには気をつけろよ?」
「わーってるよ!ガキじゃねーんだ!」
「なぁに言ってんだ。童顔で、背も170㎝ねー18なんて、まだまだガキだよ。」
「うっるっせっ!!」
電源ボタンを連打し、時代遅れの折り畳み式携帯をスウェットのポケットに、右手と一緒にぶちこんだ。
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