梨乃
第3章 小津基之と その2
小津は激しく腰を動かし続けていた。
荒い呼吸。それを打ち消すように、梨乃の悲鳴のような声が上がっていた。
小津基之と木村梨乃は、お互い一糸纏わぬ姿で肢体を激しく絡ませあっていた。
先ほどまではシーツにくるまりながらであったが、もう完全に羞恥心もシーツもどこかへ吹っ飛んでおり、お互いのすべてをさらけ出していた。
仰向けの梨乃は、脚を広げて小津を受け入れている。
正上位の体勢だ。
ベッドがぎしぎしと軋んでいる。
小津は梨乃の太腿に手を当てて大きく広げ、その中央を自らの硬い棒で貫いて、激しい動きを送り続けている。
その突き出しては引く腰の動きに合わせて、梨乃の乳房が回転するように揺れている。
「あっあっ」
梨乃は大きな声で喘ぎまくっている。学校ではそれをずっと抑えていたから、その反動もあるのかも知れない。
小津は手を離すと今度は梨乃のうっすら脂肪のついたやわらかな腰をしっかりと掴み、引き寄せるようにすると、自らの出し入れの速度を速めた。
小津は決して上手とはいえないが、それはつい先ほどまで童貞であったのだから仕方なく、むしろその初体験にすっかり興奮しきった荒々しさこそが凄かった。
今日一日だけで女性の肉体をすべて知りつくしてしまおうとしているような、そんな激しい求めかたであった。
恥ずかしいことに梨乃は、彼のものを自分の中に受け入れてまだ一時間も経っていないというのに、既に何度も絶頂に達していた。
「気持ちいいっ」
なにも考えることが出来ず、ただひたすらその言葉を口に出すか、喘ぎ声を出しているだけであった。
回転している乳房を、いきなり両手で掴まれた。思い切りこねられ、乳首をいじられた。
そうしている間にも、小津の腰は絶え間無く動いて梨乃に快感を送り続けていた。
小津が動きを変えた。突然伏せるようにして、梨乃のお腹に自らのお腹を密着させた。
凄まじい勢いでのピストンがおさまったかと思うと、今度は男性の長さを最大限にいかした、じっくり味わうようなゆっくりとした運動に変わった。
本かなにかで研究しているのだろうか。
それとも童貞であったなど、気を引くための嘘だったのだろうか。
あまりの気持ち良さに、身体が溶けてしまいそうであった。
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