マンション屋上の死角
第1章 1章 屋上にて
昼間は 殺風景でも 都心近くの ビルの屋上からの
夜景は そう捨てたものではない
少し 古めの この雑居ビル 元々は 住宅専用だったらしいけど
オフィス使用も 多い上に 不景気で 空き室も多いから
夜は 概観からも 明かりの窓少なく 全体に暗い
屋上は まるで 人影さえもない 忘れられた 空間
そんな場所に 私は ときどき 独りで エレベーターを使って 上がり
夜景を 見ながら 煙草を 吸う事で 独りの時間を持つ
日々のストレスから 離れて 自分に戻り 考え事をする
時として 欲望のままに 妄想に 耽ってみたり
幼い頃 両親ともに 忙しく 家にいないことがあって
その 胸締め付ける 寂しさの 想い出とともに
もう少し 年齢高く 多感で 早熟な 少女時代は
あるとき ふと 知ってしまった
女子校クラスメートから借りた 女性用レディコミの 内容に
それは 多数の 男達に 陵辱される SM小説と 挿絵で
自慰と 独り芝居の 秘密の癖の想い出が 甦ったりする
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