マンション屋上の死角
第4章 4章 奈落への下降
危険な 遊びは すぐに エスカレートする
それは 主に 私の 欲望からだけれど
他人に 視られたくない 日常を 壊せない
でも 他人に 視られたい
その恥辱の 非日常の 自分を さらけ出したい
蔑まれて 嘲笑われても いいから・・・
そんな 屈折した 欲望が 時として
日々の私を 忘れさせる 自暴自棄な 欲望が
理性に 押しのけて 冷静な 判断を 失する
屋上 エレベーターの前に 修理保全用に備えられれた
スチールの脚立に 裸で 磔に 縛ってほしいと
新しい 刺激的な パフォーマンスを 申し出たのは私で
滅多に 人が 上がってくることはない
いや オーナーの情報でも もうほとんど
夜間の 住人は このビルには いない
1階の店舗テナントと 昼間のオフィス使用
それも 全室の 3割も 切った数だから
万に一つも 人に 遭遇はしない
でも その少ない可能性であれ
そのような 不安な場所に 全裸で 拘束 あられもない 痴態を
晒している 自分に 興奮していた
私は 裸に 剥かれて
床に 膝付き 足を拡げた 姿で
立てられた 脚立を背に 磔に 縛られて
猿轡を されて 放置されていた
夜更けに 時折の エレベーターの 動きに
身が縮む 胸を たかまらせ
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