彼と結んだ契約
第3章 3章 ランチタイム
ふいに 立ち上がって 彼は
私を 縛り付けている 縄を 解き始めた
まるで 気まぐれで 我侭な男の子が
同じ遊びに 飽きてしまったかのように
私は 解放されて デスクから 腰を上げて
窮屈にされていた 手足を伸ばして
皺の寄った 衣服も直し 身繕いした
腰も 手足の関節が 痛かった
「腹が減った」
彼は 一言
私が 仕事で 仮眠をとる ソファに
座り込んで 前の TVを リモコンで着けた
もう時間は お昼を過ぎていた
寒さが 冬の日だった
とりあえず お茶を容れようと
キッチンに立ち お湯を沸かす
彼に 背を向けて 沸騰するのを 待っていると
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