日本をナナメに見る
第4章 戦後資本主義の終焉
戦後70年を経て色々な転換期にある日本。
一つの大きな流れの終わりを意味するのかも知れない。
私は戦後70年続いてきたイデオロギーともいえる資本主義が間もなく終わるのではないかと考えている。
しかしこれはあくまで”戦後資本主義からの脱却”という意味であり”日本が崩壊する”という意味ではないことを強く主張しておきたい。
ではそれは一体何か?
一言でいうならば信用創造型経済の限界と言う事になるのである。
このままだと非常にわかりづらいので、詳しく説明したいと思う。
まず信用創造とはお金の流通量の事を意味する言葉だ。
そもそもお金とは労働力の対価であり、1働いた分に対して1もらえると言う事になる。
つまり2働けば2もらえるというのが当たり前の論理と言う事になるが、しかし現在は少し形が違うのだ。
1働いたお金を銀行に預け、預けていたお金を銀行が誰かに貸すとすると、全体のお金は2になるという考え方でこれを信用創造と呼ぶのだ。
よく聞く”日本銀行による金融緩和”はこれを大きく使いお金を増やしたことにする手法の事だ。
お金の量を増やせるのだから”世の中にお金が回り景気が良くなる”という論理だが、しかしここで問題が出てくる。
世の中にお金がたくさん出てきても、大半は借りたお金であると言う事なのだ。
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