日本をナナメに見る
第24章 増えぬ個人消費 見え始めたアベノミクスの限界
まさに”前門の虎後門の狼”の状況だ。
つい先日発表された7日の消費支出の統計が前年に比べて減少したのだ。
4~6月期が思った以上に良くなかったので『7月からは回復するのではないか?』と期待されていたのだが、その期待は見事に裏切られ減少してしまったのだ。
おまけに日経平均も大幅下落…と安倍政権にとっては頭の痛い事態なのだ。
当然、政府与党内からは『補正予算を付けるべきだ!』という声も上がり始めたのである。
確かに今の状況からすれば予算を付け、景気対策をするのが最善だが…しかしここでもう1つの問題があるのだ。
そもそもアベノミクスは経済の好循環で税収を増やし、財政のバランスを改善する計画で事を進めてきたのだ。
その根幹である経済が減速をはじめ、経済対策に予算を付けるのは本来の計画には反するはずだ。
ご存知の通り日本は大変な借金を抱えており、この借金の返済に対して道筋を国際社会に対して示す必要があるはずだ。
それを無視し場当たり的に政策を変更し、借金を増やし続けることはいつか国際社会から追及されるはずだ。
確かに日銀による大規模金融緩和により、株高や円安は演出できた。
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