純愛がゆえの狂気
第1章 出会い
私は旦那との性生活に全然満足していない。
旦那のことは好きだけど…
でも…
もっと感じるSEXがしたい。
気持ち良くないわけじゃないけど…
たまにしかイケないし…
そもそも…もうずっとご無沙汰だし…。
旦那は出張が多くて
夜も帰って来るのが遅くて
すぐに寝てしまう。
私は…我慢できなくて…
たまに一人でシちゃう…
誰か…
激しく…抱いてくれないかな…
子供たちはいつも
週末は実家に泊まりに行って…
あの人もどうせ帰ってこないから
私は今日はクラス会の二次会まで参加して
そのあと一人でバーで飲んでた。
◇)はぁ…
バ)どうしたんですか?w
ため息なんてついて…。
イケメンのバーテンダーさんが
話しかけてくれた。
◇)久しぶりのお酒、美味しいなってw
バ)ありがとうございますw
◇)ふふ…
バ)あ、隆二さん、お久しぶりです。
隆)どうも。
バ)いつものでいいですか?
隆)ああ、はい。
常連さんなのかな…?
カウンターで一つ空いて隣に座った
彼の顔をちらっと見た。
するとバチッと目が合った。
逸らす訳にもいかないし…
軽く頭を下げると
すごく可愛らしい笑顔で笑った。
隆)お一人ですか?
◇)あ、はい…。
隆)ニコッ。
なんて…笑顔が素敵な人なんだろうと思った。
バ)お待たせしました。
隆)あ、ありがとうございます。
バーテンがお酒を出すと
彼は私の方を向いた。
隆)あの…
一人で飲むのもなんなんで…
乾杯してもらえません?w
◇)あ…っ
私でよければ…
私は慌ててグラスを手に取り
音を鳴らせた。
隆)ありがとうございますw
ああ、美味しいなコレ。
胸が…少しドキドキする。
隆)なんか…
間空けてるのも変なんで…
隣いいですか?
◇)え…
私が返事をする前に
彼は隣に座ってきた。
◇)……//
隆)あ、ご結婚されてるんですね。
◇)え?
隆)指輪。
◇)あ…っ
はずして…くればよかった…。
隆)いいな〜w
◇)え?
隆)憧れます。
◇)え???
隆)結婚とか…
いいなぁって…
◇)別に…いいことなんて…
隆)あはははw
そんなこと言ったら
旦那さん泣いちゃいますよw
◇)……//
その笑顔に…
またキュンとしてしまう。
隆)名前…聞いても…
◇)ああ…私…ええと…◇といいます。
隆)◇さんですか?
素敵な名前ですね。
◇)……//
どうして…
この人はこんなに笑顔が素敵なんだろう…
隆)◇さんみたいな素敵な女性と
結婚出来た旦那さんは幸せ者ですね♡
◇)そんなこと…っ
彼が…
そんなことばかり言うから…
◇)幸せなんかじゃ…ないです…
隆)え…?
私はなんだか悔しくなって…
◇)私の主人、浮気してるんです…
隆)えっ!!
ありもしない嘘を言った。
隆)ほんと…に…?
◇)はい…。
ふと彼の顔を見ると…
すごく悲しそうな顔をしている。
彼の笑顔を曇らせてしまったことに気付いて
慌てて取り繕う。
◇)気にしないでください!
私、大丈夫なんで。
隆)……っ
彼がそっと私の手に
自分の手を重ねてきた。
隆)平気なフリ…しないで下さい。
◇)…。
隆)そんなことが大丈夫な人なんて
いるはずがない…。
◇)…。
こんな純粋そうな人に
嘘をついてしまったことに
今更ながら胸が痛む。
◇)いいんです。大丈夫ですから!
彼の手を離そうとすると
ぎゅっと握られた。
隆)女の子は…
ちゃんと大事に愛されないと…
ダメです。
こんな私を女の子扱いしてくれて…
優しい言葉をかけてくれる…
触れられてる手から伝わってくる
優しいぬくもりに…
私は気付いたら涙していた。
隆)◇さん…
◇)ごめ…っなさ…
こんな話嘘なのにどうして…?
旦那は多分浮気なんてしてない。
愛がなくなったわけでもないのに…
私…どこかで寂しかったんだろうか…
こんなぬくもりを…
求めていたんだろうか…
隆)泣かないで…
心配そうに私の顔を覗き込んでくる彼。
この優しさに甘えてしまえたら
どんなにラクだろう…。
でも…
◇)大丈夫だから…
もう離して?
…ありがとう。
隆)……っ
そう言っても
手をそのまま重ねる彼。
◇)えっと…名前…
隆二…くん?
隆)はい。隆二です。
◇)隆二くん…ありがとう。
優しいのね///
隆)……//
それからしばらく見つめ合った。
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