純愛がゆえの狂気
第5章 見つけてしまった印
ダメだ。
ダメなんだ。
いくら愛しても…
何度抱いても…
彼女は手に入らない。
そのやるせなさに空虚感を覚え…
また彼女を求める。
抱いて幸福感を味わって
どう足掻いても手に入らない嫉妬に狂って
その繰り返しで
俺はおかしくなりそうだった。
◇)隆二…?
今日は彼女が俺の家で
手料理を振る舞ってくれた。
数少ない彼女と過ごせる貴重な週末。
◇)ごはん…美味しくなかった…?
隆)え…
彼女が少し寂しそうに俺の顔を
のぞきこんでくる。
隆)いや?
美味しかったよ?
◇)ほんと??
隆)うん。
◇)良かったぁぁ♡♡
無邪気に笑い、喜ぶ彼女。
でも…
こんな料理を毎日食べてる男が他にいる…。
こんな笑顔を毎日見ながら…
ああ…もう…
隆)ごめん。
◇)えっ…?
あっっ、ちょっと…もう?///
隆)うん。
◇)あっ……///
彼女の服を肩からずらし
露わになったそのキレイな鎖骨へ口づける。
◇)待って…ここ…で?///
リビングでそのまま襲おうとする俺に
少し戸惑う彼女。
最近は…
会えるともう止まらなくて…
場所なんて問わずに求めてた。
キッチンだろうが…
洗面所だろうが…
玄関だろうが…
ただ欲しくて…欲しくて…
隆)ベッドがいい?
◇)うん…//
隆)わかったよw
◇)……//
そう言うと
連れていってと言いたそうに
俺の首に腕をまわす彼女。
俺はそのまま愛しいその身体を抱き上げ
ベッドへと連れて行く。
ドサッ。
いつものように服を脱がせ…
そのキレイな身体に口づけてゆく…。
◇)んっ……//
すると…
首筋に小さな赤い印を見つけた。
隆)こ…れ……
キスマーク??
俺が…つけるわけがない…
いつも…夢中になりすぎて
印をつけてしまわないように
十分気をつけているから…
じゃあ…これは……
彼女に印をつける権利を持ってる男。
それが許されるたった一人の…。
◇)隆…二…?
どうし…たの?
隆)……っ
抱かれたんだろうか…
わかってる…
わかっていても…
少し想像しただけで…
耐えられない。
◇)隆二…?
隆)旦那さんと…シたの?
◇)えっ??
隆)…。
◇)ど……して…?
隆)…。
◇)…。
二人の間に沈黙が流れる。
◇)してないよ…?
隆)…。
◇)あの人とは…もうずっとしてないの。
ああ…
わかってる…
こんなのは不倫の決まり文句だ。
してないって言うに決まってる…。
◇)ほんとだよ?
俺を可愛く見上げるその瞳。
じゃあこれは…
この印は何なんだったって
問い詰めてやりたい。
でも…
そんなこと言う権利…
俺にはないんだ。
どうにもならないこの狂いそうな想いを
全てぶつけるかのように俺は
◇を抱く。
◇)や、や、隆二…??///
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