トラウマ
第3章 【隆】過去の闇
あたしには付き合ってまだ1ヶ月の彼がいる。
今までは男の人が本当に苦手で
会話するのも嫌だったんだけど…
彼だけは違った。
ぶっきらぼうなのに
本当はすごく優しくて…
そんな彼の優しさに惹かれて
あたしは徐々に好きになっていった。
そして1ヶ月前…
付き合って欲しいって言われて…
あたしは嬉しくて頷いた。
そう。
あたしの初めての彼氏。
今日は…初めて彼の家に遊びに行く…。
外でデートしたことはあるけど
家に行くなんて初めてだから少し緊張しちゃう。
隆)お、いらっしゃい。
♡)お邪魔します…//
いつもの優しい笑顔。
少しドキッとする。
♡)これ…お土産。
隆)おお、さんきゅー♪
あ、ケーキ?
♡)うん。
隆)じゃあ食べよー♪
それから二人で映画を見ながらケーキを食べた。
映画が終わると
隆二が音楽をかけてくれて
隣に座ってまったり過ごす幸せな時間。
♡)お家でのデートもいいなぁ♡
隆)え?
♡)だって…
他の人がいないから
こうやってくっつけるもん♡
隆)別に外でもこうやって
くっついてくれていいけど?w
♡)…恥ずかしいよ//
隆)くすくすw
可愛い奴w
そう言って頭を撫でられた。
あたしがゆっくり隆二の方を向くと
目が合って…
そのままゆっくりキスをされた。
すっごくすっごく優しいキス…
♡)隆二…好き…//
そっと顔を見ると
目を細めてあたしを見てる。
胸が…ドキドキする。
その頬にそっと触れると
そのままゆっくり押し倒された。
♡)えっ…!!
隆)…
そしてまたキスをしようとする隆二。
♡)…っ!!
いやっ!!!!
ドンッ!!!
あたしは思わず突き飛ばしてしまった。
隆)…っ
♡)あ……ごめんな…さいっ!!
隆二が傷ついた顔をしてる…
突き飛ばすつもりなんてなかったのに…
隆)…
♡)ごめん…なさい…っ
隆)…
♡)ごめん…ね…っ…
涙が溢れてきた…
隆)どうしたの?
隆二がそっと抱きしめてくれる。
優しくてあたたかい隆二の腕の中…
♡)あたし…こわいの…っ
隆)俺が?
♡)ううん…そういうこと…するのが…
隆)…どうして?
♡)前に……
隆)…
♡)無理矢理されたことがあって…
隆)え!!!
♡)…こわ…いの…っ…
レイプされたことを思い出すと
今でも怖くて身体が震える。
怖くて怖くて…耐えられなくなる…
♡)ごめんね…
隆二は…あんな人と違うのに…
♡)ごめん…ね…っ
涙が止まらない。
隆)もう泣かないで…
隆二が優しくずっと抱きしめてくれてる。
隆)こわかったな…
♡)……っ
隆)知らなくて…ごめん…
♡)…う…っ…
隆)俺がいたら…守ってやれたのに…
♡)…っ
隆)守ってやれなくて…
ほんとにごめんな?
♡)う…ううっ……
あたしは隆二の身体を強く抱きしめた。
♡)隆二ぃ…っ…、隆二…っ!!
隆)大丈夫だよ。
俺がいるから。
♡)ううう…っ
隆)そんな記憶…忘れさせてやりたい。
♡)……っ
隆)優しく…するから…
そう言って
すごく優しい瞳であたしを見つめる隆二…
忘れさせて…ほしい…
あたしは小さく頷いた。
するともう一度優しくキスをされて
あたしの身体はベッドに倒されていく…
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