禁断の純愛
第2章 6年後…
あれからもう6年。
俺は高3になっていた。
中学の時から朝夕と毎日新聞配達をして
高校生になってからは週6でアルバイトをして
毎月母ちゃんに金を渡す。
早く大人になりたい
母ちゃんを助けたい
ずっとそう思っていた俺は
少しでも母ちゃんを助けられることが
嬉しくて嬉しくて
喜んで毎日働いた。
成績が落ちたら
母ちゃんが心配するから
勉強も死ぬほどやった。
母ちゃんの笑顔も増えて
俺たちの暮らしは平和だった。
ただ一つ気になるのは
いつでも…どこにいても…
◇のことだった。
会いたい。
◇に会いたい。
◇から手紙の返事が来なくなったのは
いつからだろう…
叔母さんの家に電話をかけても
◇はいつもいなくて
会いたい。
あいつ…何してんねやろ。
元気なんやろか…
どんなに離れてても
俺の頭の中は
いつでも◇のことばかりで…
母)健二郎、明日やな。
健)おん。
母)気をつけて行ってくるんやで?
健)◇の顔も見てくるわ。
母)せやな。母ちゃんも心配やわ。
俺は大学の下見で
二日間東京に行くことになっていた。
大学の下見なんかよりも
叔母さんの家をたずねて
◇の元気な姿を確認したい。
あいつに…会いたい…
俺は交通費と僅かなお金を握りしめて
東京に向かった。
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