禁断の純愛
第3章 再会
◇が男三人に
連れていかれそうになってるのを
見つけて
俺は慌てて呼び止めた。
遠くからでも…
すぐに◇だってわかった…
忘れるわけない…
大好きな…誰よりも大事な◇の姿を…
振り返った◇は
6年前よりも
ずっと大人になっていて
でも…間違いない、◇や。
◇は…
死んだような目で俺を見た。
◇)おに…ちゃ…ん?
健)……
しばらく俺を見た後
◇は男達の腕を掴んだ。
◇)早く…して…
男)は?
◇)早く…連れてってよ!!!
男)あ、ああ……
男たちがそのまま◇を
連れ去ろうとした。
何でや!!!
健)待てや!!!
男たちが◇を抱き上げて
ホテルに入ろうとした。
俺は後ろから体当たりして
蹴り飛ばして…
また立ち上がれないくらいに殴りつけた。
◇)いや!!離して!!
健)何言うとんねん!!
◇は泣きながら
俺の手をふりほどこうと抵抗する。
◇)離してってば!!!
健)あほ!!!
話にならんから
俺はとりあえずそのまま◇を担いで
目の前のホテルに入った。
ベッドに◇を座らせると
◇はすぐに立ち上がって
部屋を出ようとした。
健)待て!!!
思わず後ろから抱きしめた。
◇)離して!!!いや!!!
健)離さんわ!!!
◇)……っ
腕の中で…
◇が大人しくなった…
健)どんだけ心配したと
思ってんねん!!
◇)……
健)街中探して…やっと見つけて…
◇)……
健)やっと…会えた…
…やっと……
◇の小さな身体を抱きしめながら
俺は泣きそうやった…
◇)やめ…てよ…
健)……
◇)離し…て…
健)会いたかった…
◇)……
健)ずっと…会いたかった…
◇)……
今…俺の腕の中におる…
生きてる…
それだけで…もう…
◇)あたしは…
会いたくなかった…
健)……
◇)なん…で…?
なんで会いに来たの…?
健)……
◇)あたしのことなんて
もう…忘れてよ…っ
健)……っ
◇の肩が…震えてる…
◇)お兄ちゃんは…
お母さんと幸せなんでしょ…?
健)……
◇)だったら…
あたしのことなんて…
もう…いいじゃない…
聞き慣れない標準語で
静かに話す◇が…
なんだか遠くに感じる…
健)ええわけないやろ…
言ったやん。
お前は…俺の宝も…
◇)やめてっ!!!!
◇が振り返って
目に涙を浮かべながら
俺を見た。
◇)あたし…もう…
違う…のっ…
綺麗な瞳から
涙がこぼれだす…
◇)お兄ちゃんが知ってる
あたしじゃないっ!!!
健)……っ
◇)もう…汚いの……
健)……
◇)こんな…あたし…
健)……
◇)お兄ちゃんの
宝物なんかじゃ…ない…
健)……
◇)こんなあたし…
見られたく…なかった!!
どんっ……
◇が泣きながら
俺の胸をたたいた。
◇)どうして…
会いに来たりしたのぉっっ!!!
泣きながらそう叫ぶ◇を
俺はひたすら抱きしめた。
◇)会いたくなんてなかった!!
健)うん…
◇)見られたくなかった!!
健)うん…
◇)もう…嫌なのっっ!!
健)……
◇)もう死にたい…
健)……っ
◇)もう…消えちゃいたいよ…っ
そう言って◇は
泣き崩れた。
俺は◇を抱き上げて
もう一度ベッドに座らせた。
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