個人指導
第9章 ヤキモチ
〜〜〜〜久々の続編です〜〜〜〜
(◇side)
友「ねーねー登坂先生って最近カッコ良くない?♡」
友「わかる〜〜♡」
◇「……」
友「彼女できたって宣言してたあたりからだよね?」
友「うんうん。なんてゆーか…丸くなった?」
友「そうそう!前は怖かったけど、話しやすくなったよね!」
◇「そうかなぁ!!登坂先生ってすっごく冷たいし怖いよ!!」
友「え…?」
友「あんた登坂先生のファンだったじゃん…」
◇「全然!登坂先生みたいな怖い人、絶対やだ!!」
友「まぁあたしも岩田先生の方が好きだけど…」
友「あたしも岩田先生のファンだったけど、最近登坂先生に浮気心が…♡」
◇「はぁ?!意味わかんない!岩田先生の方がずっとずっと優しくてカッコイイじゃん!!!!」
岩「あははは♡」
はっ!
この笑い声は…
岩「そーーんなに俺の良さを力説してくれてありがとーー♡♡」
ぎゃーー!!出たーーー!!!
友「岩田先生〜〜♡」
友「ね、ね、講習終わったらカラオケ行こうよ〜♡」
岩「だーめ♡俺まだ仕事あるもーーん♡」
友「え〜〜〜〜」
◇「……」
岩田先生なんて、何もカッコイイと思わない。
キャピキャピしてる友達を置いて、教室に戻ろうとすると…
◇「はっ!!」
臣「……」
◇「……」
今の会話、聞かれてた?
臣「お前ってそんなに岩田のこと好きだったんだ〜〜」
◇「!!!」
何言ってるの?
私が岩田先生のこと嫌いなの知ってるくせに…!!
だって…
岩田先生ってば私のおっぱいペロペロしてきたんだから!!
女「あ、登坂先生〜〜♡」
◇「!!!」
一年生だ!!
女「ここ、教えてほしくって///」
臣「ん〜〜いいよ〜〜♡ 手取り足取り教えてあげよっか〜〜♡」
女「や、やだぁ…///」
◇「……怒」
先生のばかっっ!!!!
ちょっと先生の悪口言ったからって、当てつけみたいに他の子に優しくしてる!
女「あ、登坂先生取られちゃったぁ〜」
女「私も教えてほしかったのになぁ〜」
またここにも…!!
◇「ねぇ、一年生だから知らないかもしれないけど…」
女「は、はいっ!」
◇「登坂先生ってね、本当に怖いんだよ?」
女「え、、カッコよくないですか?」
◇「ううん、それは見間違い。」
女「見間違い?!」
◇「そ!本当はすっごく冷たくて怖くて、性格も悪いのっ!近付かない方が…」
バコッッ!
◇「いったぁぁい!!泣」
臣「アホなことばっか言ってねぇで早く教室入れ。」
◇「〜〜〜〜!!」
先生なんて嫌いっ!!
………………………………………………………
(臣side)
岩「ぶくくくくww」
臣「……なんだよ、気持ちわりぃな。」
岩「いや、Cクラスのボインちゃん、ほんと可愛いなって思ってww」
臣「手ぇ出すなよ。」
岩「わかってるってーーw もう出しませんよーー」
臣「ふん。」
岩「いやーそれにしても、あの子ほんと見てて飽きないよね♡」
臣「何が?」
岩「登坂先生がちょっと人気出てきたら、慌てて悪口言いまくって…ww」
臣「……」
女「なになに、なんの話〜?」
岩「ああ、□□先生。登坂先生が最近丸くなったって話ですよ。」
女「ああ!みんな言ってるわよね〜〜」
臣「……」
女「前より壁がなくなったっていうか。」
岩「可愛い彼女ができたからかな〜〜w」
臣「岩田。」
岩「……こわーーw」
女「あらなに?彼女できたの?いいわねぇ〜〜〜」
臣「……」
女「その彼女のおかげで登坂先生がこんなに接しやすくなったなら、きっと素敵な彼女なのね。」
臣「……」
俺、そんなに変わった?
丸くなったとか、壁がなくなったとか言われても、自分じゃピンと来ない。
でも…
前より生徒が質問に来る回数は増えたかも。
俺って…前までそんなに怖かったのかな。
そんでもって…
あのアホと付き合って、変わったのか??
うーん、わからん。
………
女「登坂先生の彼女ってどんな人なんだろーー///」
女「登坂先生なら二番目でもいいから彼女にしてほしい♡」
女「いやん♡」
準備室の掃除をしてると、隣の教室から女子の話し声。
二番目でもいいからって…
高校生のくせにその発想はどうなんだ、おい。
◇「何言ってるの!!」
あ、アホの声だ。
◇「登坂先生はね、二番だけじゃなくて八番目まで女がいるのよ!!」
女「えーーー!!」
女「先輩…っ、ほんとですか?!」
◇「ほんとほんと!!何人の女を騙して、泣かせてきたことか…!!」
女「やだー!ショックーー!」
◇「本当に恐ろしい男なんだから!騙されちゃダメ!近づいちゃダメ!」
女「わかりましたぁ…なんかガッカリ…」
女「見て楽しむだけにしよう。」
女「うん。」
臣「……」
◇「ふぅ、これでよしっと。」
バコッ!
◇「いったぁぁ!!泣」
◇が頭をおさえて俺を振り返った。
臣「これでよし、じゃねーわw」
◇「……」
お、なんだよその反抗的な目は。
◇「ぷんっ!!」
臣「ぷんだぁ??」
なーにを拗ねてんだよ、こいつは。
臣「ほら。」
◇「…っ」
小さな手に、キーを握らせた。
臣「すぐ行くから先乗ってろ。」
◇「……///」
嬉しそうに少しニヤけたかと思ったら…
◇「ふんっっ///」
そう言って裏口から出て行った。
素直じゃない奴…www
………………………………………………………
(◇side)
先生からもらったキーで
こっそり先生の車に乗り込んで
先生が来るのを待つ。
◇「……//」
今は冬休み。
塾は冬期講習。
終わるといつも先生が、うちまで送ってくれるの。
それが…すっごく嬉しい///
本当は先生と一緒に先生の家に帰って、お泊まりしたいんだけど…
そんな暇があったら勉強しろーーって。
クリスマスプレゼントも問題集一式だったし。
◇「はぁ……」
今年受験生なのはわかるけど…
勉強だって頑張るけど…
私はもっと先生とラブラブな時間を過ごしたい。
そしたらそれがパワーになって、勉強だって頑張れちゃうと思うの!!
クリスマスのディズニーデートはすごく楽しかったなぁ…
一日中先生と一緒で…
ホテルでもいっぱいエッチして…
◇「////」
思い出しただけで…ドキドキしちゃう///
私ってば…どれだけ先生のこと好きなんだろう。
__ガチャッ
臣「お待たせ。」
◇「……///」
はぁ、カッコイイなぁ……
臣「まーだ拗ねてんのか?」
◇「はっ!」
そうだった。
先生が他の子にデレデレしてるから、私怒ってたんだった!
◇「ぷんっ!」
臣「ふーーんw」
先生はクスッと笑ってハンドルを握った。
この余裕な感じがなんだか悔しい。
臣「じゃあ岩田に送ってもらえばー?」
◇「えっ…」
びっくりして顔を右に向けた。
臣「なんだっけ?岩田の方が優しくてカッコよくて…?」
◇「…っ」
臣「岩田の方が好きなんだろー?」
◇「……」
そんなの嘘ってわかってるくせに…
臣「で、俺はなんだっけ?怖くて冷たくて性格悪ぃんだっけ?」
◇「…っ」
臣「女も数々泣かせてきた、と。」
◇「……」
臣「まぁそこは外れてもないけど…w」
◇「…っ」
え、そうなの?!
先生ってそんなに悪い男だったの!?
臣「そんなに俺のこと嫌なら、岩田んとこ行けば?」
◇「え…っ」
運転してる先生の顔を見ても、それが本気なのか冗談なのかわからない。
本当に…そう思ってるの…?
私が先生の悪口いっぱい言ってるから…怒っちゃったの…?
◇「……先生…」
臣「……」
◇「……好き。」
臣「……あっそ。」
◇「…っ」
どうしよう。
やっぱり先生、怒ってるんだ。
◇「今日…帰りたくない…」
臣「……」
こんなまま、別れたくないよ。
◇「先生の家、行っちゃダメ…?」
臣「ダメ。」
◇「…っ」
そんな…即答なの…?
◇「や…だ…、行きたい。」
臣「迷惑。無理。」
◇「…っ」
どうしよう…
泣きそう…
先生…呆れちゃったの…?
私のこと…本当に嫌いになっちゃった…?
………………………………………………………
(臣side)
臣「ん、着いたぞ。」
◇「……」
ん?
まだ拗ねてんのか?
ベルトを外そうとしない◇の顔を覗き込むと、なんかすげぇ悲しそうな顔してる。
なんだ??
今日…やっぱり帰りたかったのか?
臣「おい。」
◇「……」
臣「降りろって。」
◇「……やだ。」
臣「……」
やっぱり泊まりたくねーの?
臣「……」
俺が◇のシートベルトを外すと、◇は涙目で俺を見た。
◇「やだっ…」
臣「…っ」
何が?
◇「先生が好きっ!!」
臣「……」
知ってますけど。
◇「好きなのっっ!!」
だから知ってるって。
◇「岩田先生のことなんて好きじゃないっ!」
ぶっwww
んなことわかってるっつーのww
◇「岩田先生なんて気持ち悪いもんっ!好きじゃないよ!!」
臣「……」
◇「だから…怒んないで……」
臣「……」
もしかして…
俺が怒ってると思ってんの…?
◇「違うの……」
臣「……」
◇「ほんとは……」
◇の目からぽろっと涙がこぼれた。
臣「え、え、ちょっ…」
なんで泣く?!!
俺、そんな怖かった!!??
怒ってねーよ!!?
◇「先生が最近…みんなから人気で…不安だったの…っ」
臣「……」
◇は泣きながら一生懸命に話す。
◇「みんな…前までは岩田先生って言ってたくせに…最近…登坂先生カッコイイって…」
臣「……」
うん。
俺、お前のおかげで丸くなったらしいからね。
◇「前まで冷たいとか言ってたくせに…」
臣「……」
そうなの?w
◇「先生はぶっきらぼうに見えるけど、本当は優しいって…、そんなのずっと前から私知ってたもんっ!!」
臣「……」
◇「なのにみんな、最近急に先生が優しいとか言って…」
臣「……」
うん。
俺、お前のおかげで壁なくなったらしいからね。
◇「やだもん…っ、、」
臣「……」
◇「他の子に…デレデレしてるの…やだもんっ……」
臣「……」
今日のアレは…
ちょっとした意地悪っつーか…
ヤキモチ妬くかなーって面白がっただけで…
◇「やだもん〜〜〜〜っっ」
臣「……はいはい。」
◇「うえーーんっっ」
臣「わーかったから。泣くな。」
俺が抱きしめると、◇は俺のジャケットをギュッと握りしめて、子供みたいに泣いた。
ほんと…こいつは……
◇「先生のこと悪く言ったのは…他の子に…近付いてほしくないからだもんっっ」
臣「ん。」
わかってるよそんなん。
お前が必死で俺の悪口言ってるとこ何回も見て…
バカだなーー
可愛いなーー
って…
いつもそう思ってたんだから。
◇「岩田先生のこと無理矢理褒めたのは…」
ぶっww
無理矢理だったんかいww
◇「みんなあっちに行けばいいのにって思ったんだもんっ」
臣「……ん。」
それもわかってるっつーの。
◇「だから…全部嘘だもんっ…」
臣「……」
◇「だから…だから…っ」
臣「……」
◇「怒んないで……ぐすっ……」
臣「……」
◇「嫌いに…ならないで…っ」
臣「……」
はぁ…
ほんとこいつって…アホだなぁ……
そんなことで怒ると思ってんの?
嫌いになると思ってんの?
そんなアホなとこすら可愛いとか思っちゃってる俺が?
はぁ……//
臣「……もう行くぞ。」
◇「やだぁっ!」
臣「…っ」
◇が俺にしがみついてきた。
◇「まだ別れたくないっっ!!」
臣「だーかーらー!泊まってくんだろ?」
◇「え…??」
ようやく車の外を見てハッとする◇。
臣「どこだと思ったわけ?」
◇「私の…家…」
臣「帰りたいなら送るけど?」
◇「やだっっ!!」
臣「じゃあ早く降りろ。」
◇「////」
俺のマンションだとわかって嬉しそうに車を降りると、◇はすぐに俺の腕に飛びついてきた。
◇「……///」
臣「……」
なんだよ。
急に大人しくなりやがって。
………………………………………………………
(〇〇side)
久々の先生のおうち。
あ、先生の匂いだ。
玄関に入っただけで、この匂いに嬉しくなる。
荷物…ここに置いていいかな。
◇「……」
てっきり、自分の家に帰されるんだと思ってた。
あ、お母さんにLINEしとかなきゃ。
「今日は友達の家で勉強会のままお泊まりします!」
「はいはい。避妊しなさいよ。」
◇「////」
なんでいつもバレバレなの?
お母さんってほんと怖い。
臣「連絡した?」
◇「あ、うん。」
ドサッッ
◇「えっ?!!」
一瞬でソファーに押し倒された。
◇「え?先生…?」
臣「なに?」
◇「……///」
そんなまっすぐに見つめられたら、ドキドキして死んじゃう。
臣「抱いてい…?」
◇「えっ、えっ、待って///」
臣「なんだよ。やなの?」
◇「////」
やなわけ、ないです。
◇「今…すぐ?///」
臣「うん。」
◇「シャワー…は…?///」
臣「そんなんいらね。」
◇「……///」
えっと…えっと…
臣「今すぐ抱きたいって言ってんの。」
◇「////」
ドキドキ…ドキドキ…
心臓が壊れそう。
◇「な、なんで…?///」
嬉しいのと…恥ずかしいのと…
さっきまで泣いてたのとで…
いろいろ頭がパニックで…
臣「誰かさんがアホみたいに不安になってるから。」
◇「え…?」
不安って…
臣「俺が怒ってると思ったんでしょ?」
◇「えっ…」
違う…の…?
臣「俺に嫌われたとか思ったんでしょ?」
◇「…っ」
だって…
臣「そんなアホな心配しなくて済むように抱いてやるから大人しくしてろ。」
◇「////」
どうしよう…っ
死んじゃう!!////
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