学校祭
第1章 誤解
あたし達の高校はもうすぐ学校祭。
今日はそれに向けての準備だったんだけど…
くじ引きで実行委員になってしまったあたし。
しかも相手はあの登坂君。
登坂君って…
全然喋んないから…苦手。
でも…折角同じ委員になったんだし
…仲良くしなきゃね!!
◇)早速今日委員会だね!
登)…ん。
◇)授業終わったら…
一緒に行こ?
登)……
◇)……
え…シカトですか??
登)一人で行けよ。
◇)え…っ
そのまま登坂君は
プイッと教室を出て行った。
カンジわるぅぅ〜!!!!
何あれ!ムッカつく〜〜!!
仕方なく放課後
一人で教室に向かうと
登坂君は先に来てたみたいで
机に突伏してた。
一応…隣に座んなきゃだし…
隣に座って…
他のクラスの生徒も集まってきて…
男)よっし、じゃあ委員会始めんぞー!
え、ちょっと…
この人起きないんですけど。
◇(ちょっと、登坂君!)
登)……
◇(委員会始まるよ!ねぇ!)
声をかけても無反応だから
腕をとんとん叩くと
登坂君は飛び起きた。
◇)委員会、始まるってば。
登)……
あたしをじろっと睨むと
机に肘をついて
あたしを拒絶するように壁を作った。
相変わらず…カンジわるっ!!
それから、各クラスで
プリントを書かなきゃいけなくなって…
ここの欄…どうしよう…
◇)ねぇ……
登)……
◇)ねぇってば。
もう一度腕をトントンすると
バッと振り払われた。
登)触んな!!!
◇)……っ
登)……
何それ……
さっきから…ひどくない?
あたしが何したっていうの?!
大して話したこともないのに
最初っからやなカンジで…
なんか…ムカつくを通り越して
泣きそう……
でも悔しいから絶対泣かない!!
委員会が終わると
登坂君はすぐに席を立った。
◇)ちょっと待ってよ!
あたしはすぐに追いかける。
◇)来週までに
あたしこっちやるから
登坂君、これやっといてくれる?
今日渡された宿題を
半分渡すと
怪訝そうにあたしを見る登坂君。
◇)……同じ委員なんだから
半分…やってよ。
登)顔…こっち向けんな。
◇)はぁ?!
あたしの顔も見たくないってこと!?
◇)何なのそれっ!!!
登)近寄んなっつーの…
◇)あんたほんと何なの?!
失礼すぎるでしょ!!
登)うる…っせ……
鬱陶しそうに横を向く…
◇)話するのも嫌なわけ。
登)……
◇)顔も見たくないんだもんね。
登)……
こらえてたのに
涙が出てきた。
登)……っ!!
◇)じゃあもういいよっ!!
バイバイ!!
登)!!!
涙を見られたくなくて
その場から消えようとすると
腕を掴まれた。
登)そうじゃねぇって!!
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