両手を頭の後ろで縛られた状態の妻は
腰を後ろに引き、中腰の姿勢で
近くにある洋服の陳列に身を隠そうとしていました。
その恰好は少し離れた場所から見ていると
お尻を後ろに突き出しているのと変わらず
とても滑稽に映りました。
「あの人見てよ。あれで隠れてるつもりなのかしら」
「やだわ。後ろからだとお尻の穴まで見えるじゃない」
「ほんと良くやるわ。見ていてこっちが恥ずかしくなっちゃう」
「でも面白そう。これからどうなるのかしら」
ギャラリーの女性客たちは、自分たちより美しい女性が
辱めに合わされていることが嬉しくて堪らないようでした。
すると全裸の妻は、なかなか戻ってこない女性店員に
ついに焦りを感じたのか、水着に着替えた試着室の方へと
ゆっくりと歩き始めたのです。
頭の後ろで両手を縛られたまま、身を屈めて歩く姿は
まるで鳥のものまねでもしているようで
ギャラリーの失笑を誘っていました。
それでも妻はお尻を突き出しながらも
どうにか10メートルほど歩き
試着室まであと少しのところまで来たのです。
しかしその時でした。
いきなり妻のお尻をパチッ―と叩く音が聞こえたのです。
驚いた妻が振り返ると
妻の後ろには、50代後半くらいの
眼鏡をかけた知的な感じの女性が立っていたのです。