Love Trap
第19章 ーごめんねー
私はどこまで馬鹿なんだろう。
本当はとっくに気付いてた。
でも…気付かないフリをしてた。
私は…
直人さんに出会って
初めて人を愛して
すべてを捧げて
すべてを信じて
本当に幸せだった。
それは事実。
あまりに幸せだったから
嘘の言葉も、壊れていく心も
全部誤魔化しながら
直人さんを愛し続けた。
自分の命を捨ててでも。
それでいいって…
もう死んでも構わないって
そう思っていたのに。
私は出逢ってしまった。
いつからこんなに…
私の心に入ってきてたの…?
出会ったあの日から
幾度となく変わらずに
無償の愛を注いでくれるあたたかい人。
純粋で
痛いくらいに真っ直ぐで
私は…
本物の優しさに触れて…
あたたかい愛に触れて…
目が覚めた。
目が覚めたけど…
もう遅いの。
わかってる。
広臣が好き。
こんなにも。
いつから私はこんなに
広臣でいっぱいだったんだろう。
広臣を傷つけたくなくて
あんなにひどいことをした。
それでも私を愛してると言って
苦しんでる広臣。
もう…
どうしたらいいのかわからない。
準備室のドアを開けると
そよ風がカーテンを揺らした。
◇)あの、ごめんなさいっ//
〇)……?
窓の外から…話し声が聞こえる。
臣)その制服…
◇)あっ、今日は…学校見学で…//
臣)中学生?
◇)はいっ///
臣)……
◇)ひゃっ///
臣)可愛いね?
◇)えっ!!/// あ、あのっ///
臣)なに?
◇)///
臣)なんでそんな…顔赤いの?w
◇)せ、先輩が…
すごく…カッコイイからっ///
臣)ははっw
◇)は、恥ずかしい…っ///
臣)ほんと…可愛い…
◇)えっ////
臣)なに、もう感じたの?w
◇)えっ、えっ、えっ///
臣)太もも撫でただけだよ?
◇)…っ///
広臣が…そこにいる。
◇)ひゃぁぁっ///
臣)そんな声…出す?w
◇)…っ///
臣)ん……
◇)あっ、あっ、あのっ
臣)こんなとこ…通っちゃダメだよ?
チュッ…チュッ…
◇)ご、ごめんなさいっ!!
臣)こんな人がいないところ…
何されても…
誰も助けてくれないよ?
◇)…っ///
チュッ…チュッ…
臣)男にこんな悪さされても…
逃げられないし…
◇)あ…っ/// や…ぁっ//
時折聞こえるリップ音。
ああ、広臣はわかってる。
私がここにいること…わかってる。
◇)えっ…、あっ、あのっっ///
臣)なに…?
◇)あ、あ、あのっ…、ふあぁぁっ///
臣)…っ
◇)あっ…///
ご、ごめんなさいっ…、あたし…っ///
臣)ふ…っw 可愛いね?
◇)…っ///
臣)こんなとこ…舐められるの…
初めてなんだ?
◇)////
広臣が…
私以外の女の子に…触れてる。
いつも私にするように…
優しく…触れてるの?
二人の姿はカーテンで見えない。
聞こえるのは二人の声と…
いやらしい音だけ。
臣)ほら、手、よけて?
◇)あ…っ///
臣)もっと気持ち良くしてあげるから…
◇)えっ、あ…っ
ぺろっ…ちゅぱっ
◇)あぁっっ/// あっ…や…ぁっ//
臣)よけて…
◇)あっ…
臣)我慢しなくていいから…
◇)…っ///
臣)こんなとこ…誰も来ないから…
◇)あ…っ
臣)可愛い声…いっぱい出して?
◇)///
臣)ほら…
ちゅっ、れろっ…ちゅぱっ
◇)ふぅぅっっ!!///
臣)……
こんな所…誰も来ない。
そう、私しか。
広臣はわかってて…こんなことをしてる。
◇)あっ、はぁ…っ///
感じてる…女の子の声。
◇)やっ、やっ…せんぱ…っ、せんぱぁい…っ///
臣)…っ
◇)も…、立て…ないです…///
臣)え…っ
◇)…頭が…ふわふわ…して…
臣)……
◇)んん…//
臣)ちょっと舐められただけで
立てなくなっちゃったの?
◇)…っ///
臣)可愛すぎでしょ…w
◇)///
臣)ほら、壁に…手、ついてごらん?
◇)えっ…
臣)もっと気持ちイイところ…
触ってあげるから…
ああ…どうしよう…
私…
聞きたくない。
◇)えっ…、えっ!!///
臣)まだ触ってないよ?w
◇)…っ
臣)……いい?
◇)…っ
く…ちゅ…っ
◇)…っっ///
ぬちゅ…っ、ぬぷ…っ
臣)ああ、やっぱり…
もう濡れてたね?
◇)はぁっっ///
臣)ほら…
◇)あぁっっ…///
臣)こっちも…初めて?
◇)(コクン///)
臣)かわい…w
◇)///
いや…やめて…
広臣…やめて…
ああ…私…
どこまで馬鹿なんだろう…本当に。
いつの間にか
こんなに広臣を好きになってた。
あんなに優しい広臣に
こんなことをさせているのは私なんだ。
いつも切なく苦しい表情で
私を見ていた。
ごめんね…
こんなこと…させて…
ごめんね、広臣……
◇)こんなこと…
誰にも…っ、されたこと…
あっっ…///
臣)俺が初めて…?
◇)はい…///
臣)怖がんなくていいよ…
◇)…っ
臣)ほら、どんどん気持ち良くなってくるから…
◇)…あぁっ、…ぁっっ///
臣)そのまま…力抜いてて…
◇)はぁっ…///
広臣が
どんな風にその子に触れているかが
わかってしまう。
何度も何度も
その優しい腕に抱かれたから
どんな仕草も
手に取るようにわかってしまう。
臣)大丈夫…優しくするから…
◇)あっ…///
臣)ん、可愛い…
◇)はぁっ、気持ち…ぃっ///
臣)今からもっと気持ち良くなるよ?
◇)えっ…
にゅ…ぷっっ、ぬちゅっっ
臣)ああ…キツ…ッ// 痛い…?
◇)大丈夫…です…っ
臣)ん、優しくするから…
◇)…っ///
いや…
いや…、やめて…
◇)はぁっっ!!///
臣)ん、…痛い?
◇)ちが…っう…っ
臣)ん…?
◇)な…に、これ…っ///
おかしく…なり…そ…ぉっ
臣)大丈夫、いっぱい感じて?
◇)…っ///
臣)可愛いよ…
◇)あっ…
臣)ほんと…可愛い…
◇)あぁっ///
女の子の甘い甘い声。
広臣に愛されて…感じてる声。
私が泣くなんて…
自分勝手すぎる。
◇)あっ、あっ…///
臣)可愛い声…
◇)…んんっ……
臣)我慢しないでって…言ったじゃん…
◇)ふ…っぁぁっ
臣)そんな可愛いんだから…
ちゃんと俺に聞かせて?
◇)恥ずかしい…っ//
違う…
広臣は私に聞かせたいんだ。
わかってる。
◇)あたしの声じゃ…ない…みたいっ
臣)うん…
◇)や…ぁっ…//
臣)女の声だよ…
◇)あぁぁっっ///
臣)すげぇ可愛い…
◇)やっ、あっ、せんぱいっ///
臣)うん…
◇)あっ…あぁっ…あぁんっ///
じゅぷっ、パチュンッ、パンっ
◇)あぁんっ…気持ちぃ…よぉ…っ
臣)…っ
◇)せんぱぁい…っ///
臣)……
耐えられなくなった私は
そのまま部屋を出た。
〇)はぁっ、はぁっ…
私は…
こんな思いを広臣にさせたんだ。
あの日…この場所で。
〇)は…ぁ…っ
涙が…止まらない。
〇)…っ
広臣を断ち切るためだった。
こんな私を
いくら拒絶しても愛してると言ってくれる
優しい広臣に
目を覚ましてほしくて
あの日わざと
広臣がいるとわかっていながら
直人さんに抱かれた。
わざと…あんなに淫らに。
〇)ふ…ぅ…っ
広臣は…どんな気持ちだった…?
きっと
今の私のよりも
もっと傷ついた。
もっと悲しんだ。
ごめんね…
ごめんね…
もう…これ以上…
広臣を傷つけたくない。
広臣の心が
どんどん壊れていってるのはわかってる。
どうしたらいいのかわからない。
お願いだからもう…
私のことなんか忘れて
幸せな恋を見つけて。
私が広臣に出来ること…
それは…きっと…
自分の気持ちを隠し通すこと。
絶対に…知られちゃいけない。
私は…広臣を…
愛してない。
愛してない。
愛してない。
私が好きなのは…直人さん。
私は…直人さんを思って…死んでいくの。
心を無にして準備室に戻ると
またそよ風がカーテンを揺らした。
もうそこに、二人はいない。
心を無にしたまま仕事に手をつけると…
コンコン。
臣)入るよ。
ガラガラッ
広臣の声がした。
私は…必死に心を無にする。
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