オレの名はラサ。
少しは名の知れた剣兵だ。
故郷で勃発した戦乱では、相棒の魔兵エフィと共に、戦乱終結に一役買ったと自負している。
だが、兵士であるオレ達にとって、平和というのは束の間の休息でしかなかった。
やがて、平和に退屈するようになったオレは、隣国で戦争が起こったという噂を耳にした。
「ここで燻っていても仕方ない、一緒に隣国へ行かないか?」
オレ達は新天地を求め、船で隣国へと渡った。
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港に着いたオレ達の目に飛び込んできたのは、義勇軍を募る告知だった。
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・同盟であったベルグ帝国が裏切り、奇襲を受けた我らがアイザス王国を救うべく、義勇軍をここに募集する。
・愛国心溢れる者、腕に覚えのある傭兵、平和を願う若者達よ集え。
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「渡りに船とはこの事だな」
「待遇も‥‥悪くはなさそうね」